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未知との遭遇 ◆C0vluWr0so 暗い森の中――二機と一機は移動を続けていた。 ユーゼス・ゴッツォ、ベガ、カミーユ・ビダンの三人である。 飛行可能なバルキリーを交え、その陣形は平面的なものから立体的なものに変型していた。 カミーユが空から広範囲を偵察し、地上のユーゼスとベガが空から見えない森の中をカバーする。 空のバルキリーを頂角に、巨大な三角形を作っている、と言えば想像できるだろうか。 D-6の岩山で機体を乗り換えた後は、わずかな休憩さえ取らずに探索を続けていた三機だったが、その結果は芳しくない。 捜索対象のマサキは見つからず、幸か不幸か他の参加者に会うこともなくおおよそ二エリアを移動している。 (最初のあの場にいた者の数は50~60人。そして今、その数は更に減っている。 64に仕切られたこのゲーム盤の広さから考えても、この探索結果は仕方がないと言えるだろう。 だが――それでは駄目だ。それではあの異形に打ち勝つことは出来ない) 仮面の奥に真意を隠し、ユーゼスは考える。このバトルロワイアルというゲームの勝者になるには何を為せばよいのかを。 勝利の最低条件――それは、生き残ることだ。 最初の六時間で十の命が散っていった。それから四時間が過ぎている。 あの小娘の言う『褒美』に心を動かされ、殺戮に走る者も出てくるだろう。 現にユーゼスも、殺人の狂気に酔いながら力を奮う人間に襲われている。 その時は撃退することが出来たが、敵機の性能はこちらの機体を凌駕していた。 まともにぶつかっていれば、負けていたのはこちらだっただろう。 そんな機体が、最大でまだ見知らぬ参加者の数――つまり数十機存在しているかもしれないという可能性は、極小ではあるが無視できない。 それらから身を守り、主催者への反乱の準備を整えるのが目下の目的だ。 しかし、その道程は困難を極めるだろう。 もし状況が差し迫れば――不本意ではあるが、正規の勝利条件、つまりこのゲームの優勝を狙う心づもりもある。 だがそれは、最低の勝利だ。 ならば最高の勝利とは? それは主催者の異能を我が物とし、無事に生き残ることだ。 あの力が手に入れば――人を捨て――超人を超え――超神へと―― 「神の座もそう遠くはない。そして全てを我が手に……」 仮面の奥の真意を笑みとして僅かに洩らしながら、ユーゼスは嗤った。 ◆ 「――こちらベガ。特に何もないわね。そっちはどう? カミーユ」 「ええ、上からも何も。――けど、」 「けど?」 「厭な気分です」 何だか、気持ちが悪い――そうカミーユは言った。 感受性が強く、そういうものを感じやすい子なのだとベガは思う。 戦場にいてはいけない――呑まれ、呑み込み、死んでしまうタイプだと。 「……無理はしないで。辛い時はいつでも言ってちょうだい」 「大丈夫ですよ、子供じゃないんですから」 若干の苛立ちを言葉に込めながらカミーユは答える。 それ自体子供の物言いであることに彼は気づいていない。だからそのまま言葉を重ねる。 「それにベガさんも……結局はユーゼスの言いなりじゃないですか。俺はあの人を認めたくない。 頭では分かっていても、やれないことがある。でも、それを平気でやってしまう人がいるんだ」 敵意とまではいかない。けれどはっきりと否定の意味合いを込めて少年は語る。 今までの疲れもあるのだろう。だがカミーユがユーゼスを否定するのはそれだけが理由ではない。 彼の鋭利な感性が、仮面の男の行いを許さないのだ。 頭が許しても――心が受け入れない。そのままぶつかるには鋭すぎる心を、カミーユは持っていた。 だからといってカミーユがユーゼスに対して何かをする、というわけでもない。 せいぜい溜まった鬱憤をベガに吐き出す程度だ。 「――そうね。私は彼の言葉を行動の指標としている。それは認めるわ。 けれどそれは彼の言いなりになったということではない。それは、『信頼』、というのよ?」 「信頼ですか。随分安っぽい信頼ですね。少なくとも僕は、会って数時間ほどの人間を信用できるほど甘くはないですよ。 だいたい、大人はそうやって知ったような口を聞くから嫌いなんです」 カミーユの言葉に、ベガはクスリと笑い、こう言った。 「なぁんだ。やけに突っ張ってると思ったら――やっぱりまだまだ子供ね、カミーユ君?」 「……だから、大人ぶった人と話すのはいやなんだ」 「そうでしょうね。そこが子供と言っているのよ。そして私は、少なくとも貴方よりは大人だわ。 だから大人として、貴方を受け止める義務がある」 「……僕の知っている大人は自分のことに精一杯で、他人のことまで気が回る人なんていやしなかった。 いたとしてもほんの一握り――父さんと母さんだってその一握りには入ってなかった」 ベガの言葉に、カミーユは絞り出すような声で返事をする。 普段のカミーユならこんな風に自分について語るということはしなかっただろう。 けれど彼は疲れていた。この殺し合いが始まってからの疲れだけではない。 その前から、ガンダムに乗ったあの日から始まった争いと、それに関わる人間の全ての業に。 だから、彼はベガと話したのかもしれない。 「父さんも母さんも俺を置いて死んでいった。大人はいらないことばかりして俺たち子供のことなんか考えやしないんだ。 あんたはそんな大人たちとどう違うって言うんだよ!?」 「……そうね、確かに違わないかもしれない」 「だったら――!」 「だから、間違っているのは大人ではなく、貴方の方よ」 二人の間に沈黙が走る。少しの間を置いて口を開いたのはベガだった。 それは先ほどまでの諭すようなものではなく、もっと優しさを含んだ――まるで母親のような口調だ。 「どこが間違っているかはあえて言わないわ。自分で気づかないと意味がないもの。 それに私は、貴方なら分かると思うから、ね?」 「……母親でもない人にそんな話をされたくないですよ」 「なら私は貴方の母親にだってなるわよ。……ちょっと、格好つけすぎかしら?」 そう言って苦笑いをするベガを見て、カミーユはほんの少しだけ、心が軽くなったような気がした。 或いはベガの姿に、ずっと求めていた『母親』を見つけたのかもしれない。 「僕は、両親に親をやって欲しかったのかもしれない……」 「え? ごめん、ちょっと今なんて言ったのか――」 「いえ、なんでもありません。……少しだけ、心が晴れました。ありがとうございます。 ただ、それとあの人のやることを聞くってのは別問題です。……やっぱり僕は、ユーゼスさんのことを素直には信じれない」 「そんなものよ。誰かと違えた考えを元通りにするというのはとても難しいことだから。 ……たとえそれが血を分けた家族だったとしてもね」 ふと視線を落としてベガは答える。 自分の言うことは偽善に過ぎない、その場しのぎの言葉なのかもしれない。 実際に、自分は実の兄アルテアと敵対し――未だに彼の考えを理解することが出来ないのだから。 何故アルテアがあんな風に変わってしまったのか、ベガはその理由を知らない。 仕方がないといえば仕方がないだろう。人は他人の心を完全に理解することなど出来ない。 そんなことが出来る人間がいれば、それはもう人間ではない。新しい別の何かだ。 「さぁ、話はこれでおしまいにしましょ。まだまだ私たちがしなければいけないことは多いわ。 けれど……一つ一つ潰していくしかないから。まずは行動しないとね」 「はい。――あれは、火?」 上空を飛ぶバルキリーの視界に炎が入ってくる。進行方向からは若干北にずれている。地図上ではB-5に相当する位置だ。 カミーユの呟きに反応したベガから疑問の声が上がり、カミーユが返答する。 「前方で火災が起きてます。地上からは確認できませんか?」 「こちらからは無理ね。ユーゼス、そちらは?」 「今確認できた。カミーユ、上空から火災の状況を教えてくれ。それから、この火災が人為的なものかどうかの判断もだ」 「はい。こちらから見る限りでは数km四方に広がっています。火がついてから数時間は経っていると思います。 おそらくは戦闘に因るものでしょう。森のど真ん中でいきなり火災が発生するとは考えられませんし……」 「ああ、私もそう思う」 ユーゼスは再度思う。……やはりこの少年、血の巡りは悪くない。落ち着いていれば、という条件はあるが。 問題は良識という枷だ。ベガもカミーユも良識に囚われ、最適な選択をすることが出来ないタイプ。 ベガはまだマシな方ではある。多少のことならば割り切り、切り捨て、最低限のことは出来るだろう。 しかしカミーユはその未熟さも相まって、判断に難がある。手駒としては使いづらいことこの上無しだ。 だから再度試す。 「カミーユ、君はどう思う? 私たちは火事の原因を調査するべきだろうか? 戦闘が行われたということは、そこに人がいたということだ。 火災が発生したということは、それだけ戦闘が激しかったということだろうな。 私の目的は――」 そこまで言って、ユーゼスは自分の首輪を指さし、モニターの向こうにいるカミーユにその様を見せつける。 「分かっているだろう?」 ……ここでまだ駄々をこねるようであれば、今後の動きに支障をきたす。 もしカミーユが首を横に振るのならそれまでだ。この少年に利用価値は無いと判断する。 「……僕は」 カミーユは唇を噛み、歯がゆそうな表情をしながらも言った。 「それが僕たちにとってプラスになるのなら……反対はしません」 (ほぉ……) 意外だった。数十分前と同様に、ただ意固地に反対をするものだと予想していたからだ。 「けれど、貴方の行動を肯定もしません。僕は自分の気持ちを全力で抑え、貴方の行動を全力で見逃すだけです」 「なら君の言葉の後半を全力で聞き逃すのも私だ。お互いに言いたいことはあるだろうが、今私たちはチームだ。 互いのためにならない言動は慎むべきだろう。君が協力してくれることをありがたく思うよ、私は」 時間も余裕があるわけではない、行くのならば早急に動こう――ユーゼスの促しに従い、三機は進路を北へ変更した。 火災の中心、そこに待っているものも知らずに。 ◆ 「ベガ、カミーユ、機体の状態には気をつけろ。一つの不備が命取りになる。こんな状況ではなおさらな」 三機は燃え盛る炎の中を進んでいる。各機とも高温の中でも短時間なら行動できる程度の耐熱処理はされている。が、それはあくまで短時間の話だ。 出来る限り手早くことをすませたい。それは三人の共通認識だった。 「そろそろ炎の中心に着くはずです、もし戦闘があったのならこの周辺で――」 あった。 炎の中に一機だけ倒れていた。通信を試みるが、機体からの返事はない。 更に近づき機体の状況を確認する。無惨な有様だった。各部が破壊され、その内の一つはコクピットブロックを穿っている。 「この状態じゃパイロットの生存は絶望的ね……」 「そうだな……マサキ・アンドーとも違うのだな、カミーユ?」 「ええ、機体がまるっきり違います。……ガンダムタイプか」 「ならば……」 ユーゼスの声に、カミーユは通信を切り、機体を上空へと移動させる。 その代わりにベガが機体――ガンダムレオパルドデストロイへと近づき、コクピットを取り外す作業に取りかかる。 「カミーユはだいぶ物分かりが良くなったようだが――君のおかげかね?」 「私はただ、あの子と向き合ってあげただけです。そう言われるほどのことはしていませんよ」 「謙遜することはない。君がカミーユにとって良き存在になってくれることを期待するぞ」 ……その間に、私は先へ行かせてもらう、という言葉を呑み込み、ユーゼスはローズセラヴィーによって取り出されたコクピットブロックを注視する。 そしてメリクリウスのマニュピレータで慎重に外装を剥いでいった。 中にあったものは、潰れた肉だった。しかし純粋なミンチではない。 潰れていたのは腹から下の部分のみ。胸から上の部分は殆ど無傷で残っている。 (……ついているな) 上半身が無傷ということは首輪もまた完全な状態で残っているということだ。 首輪の無事を確認したユーゼスは、首輪を得るために無造作に死体を握り潰そうとした。 異変はその時起きた。 メリクリウスによって全身を潰される間際に、 (――死体が動くだと!?) 完全に生命を失っているはずの肉が腕だったものを動かした。 メリクリウスの握撃を妨げるようにだ。 もちろん機動兵器の握力には敵わずそのまま潰れはした。 だが―― (今のは何だったのだ?) ユーゼスには首輪の他に疑問も残った。死体は全身を潰された後はピクリとも動かない。 当たり前だ、死体なのだから。なら先ほどの現象は? ユーゼスの疑問に答えるものはない。 ただ、メリクリウスの手の中で、首輪があるだけだ。 この時ユーゼスが死体に気を取られていなければすぐに気づいただろう。 その首輪が自分たちのそれとは違うものになっているということを。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) パイロット状態:良好、目の前で起きた現象に疑問 機体状態:良好 現在位置:B-5 第一行動方針:サイバスターとの接触 第二行動方針:首輪の入手・解除 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考:アインストに関する情報を手に入れました 首輪を手に入れました(DG細胞感染済み)】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:B-5 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルⅡ(マクロス7) パイロット状況:良好、マサキを心配 機体状況:良好、反応弾残弾なし 現在位置:B-5 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:味方を集める 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊 備考:ベガに対してはある程度心を開きかけています】 【初日 22 30】 BACK NEXT 我が道を走る人々 投下順 Unlucky Color 未知との遭遇 時系列順 Unlucky Color BACK NEXT 広がる波紋 ユーゼス 謀 ―tabakari― 広がる波紋 ベガ 謀 ―tabakari― 広がる波紋 カミーユ 謀 ―tabakari―
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黄金の精神 ◆VvWRRU0SzU 「こちらはJアーク、キラ・ヤマト。もしこの声が聞こえていたら、応答願います。こちらはキラ・ヤマト、戦う気はありません」 補給を済ませ、休息を取っていたアイビスの耳に届いたのは少年の声だった。 食べかけのパンを放り出し、慌てて物陰に伏せさせていたネリー・ブレンのもとへ戻る。 発信源を探すまでもなかった。声の主は巨大な戦艦で、なんら警戒もせずに街の中央に陣取っている。 あの位置からならクルツの機体が引き起こした爆発の痕跡を見てとれるだろう。 声の主はここで大規模な戦闘があったと推測し、生存者がいないか呼びかけているのだ。 呼びかけに応じるかどうか、逡巡する。 見たところあの機体、いや戦艦は100mはあろうかという威容で、大してこちらのネリー・ブレンはせいぜい10mといったところ。 機動性はさすがに勝っているだろうが、そこかしこに見える砲門やミサイル発射管は凄まじい火力を容易に連想させる。 こちらは一度でも直撃を食らえばそこで終りだが、あの巨艦はたとえ全力でチャクラ光を放ってもそう簡単に落ちはしないだろう。 戦力差から接触すべきではないか、という結論に落ち着きかけたところで、再び声が響く。 「もし誰かいるのなら、聞いて下さい。僕は主催者に反抗する仲間を求めています。 たしかに脱出するより勝ち残る方が生きて帰れる確率は高いのかもしれません。でも、それではダメなんです。 たとえ優勝できたとしても、その人が無事に解放される確証なんてないし、もしかしたら用済みだって殺されるかもしれない」 声にはどんどん熱がこもってきた。誰かに聞かせているというよりは、自分の中の想いを言葉にして確かめているという印象だ。 「僕には戦うことを……生きることを否定することはできません。大事な人が殺されたのなら、殺した誰かを憎む、ことは……当然のことです。 でも、この世界ではそれが全てではないはずです。襲われたから、撃ってきたから撃ち返した、そんな人もいるでしょう」 アイビスの脳裏に今はもういない人の顔がよぎっていく。 自分を守って死んだジョシュア、シャア、クルツ、ラキ。そして彼らを殺したギンガナムに抱いた目も眩むほどの殺意。 「僕も、友達を……大事な人を、失いました。一度はその人たちを生き返らせたいと思ったこともあります。 でもきっと、彼らはそれを望まない。誰かの命を対価に生き返ることを、そのために僕が誰かを殺すことを、絶対に許しはしないでしょう」 彼らはどうだろうか? もしアイビスが戦い、勝ち残ることで生き返ることができるのなら、望むのだろうか? ……考えかけて、しかしそう考えること自体が、命を賭けて自分を守ってくれた彼らに対する侮辱になると、思った。 「だから僕はこの戦いの原因を討ちます。無謀なことだけど、それがきっと、みんなの……もういない人たちへの、弔いになると思うから」 まず生きることを考えていたアイビスに、その声は道を示してくれたような気がした。 勝ち残るよりも、主催者を倒して、生きて帰る。それこそが彼らに報いるただ一つの――― ふとモニターを見れば、戦艦が回頭していく。応答はないと判断し、ここを離れるようだ。 「もしこの声を聞いていて、でも信用できないと思う人がいるなら。僕は次の放送の時にE-3地点にいます。 そこに多くの人を集めて、話し合うつもりです。少しでも戦いたくないと……優勝以外の道があると思うのなら、来て下さい。 僕は、僕のできる限りの力で、戦いたくないという人を守ります。だから、」 「待って!」 気がついたら叫んでいた。まだ喋っている途中だった戦艦の主は、突然響いた自分以外の声に驚いたか言葉を切った。 ネリー・ブレンを浮上させる。ほどなく、戦艦もこちらに気づいて転回した。 「あなたは……?」 「この機体はネリー・ブレン……私はアイビス。アイビス・ダグラス。戦うつもりはないよ」 砲門が向いていても、きっとあの声は撃たない。アイビスはそう確信していた。 いかに機体に自信があろうと、戦いに積極的ならああも無防備に隙を晒すことはないはずだ。 「あたしは……あたしも、ここから生きて帰りたい。勝ち残る以外の方法で。でも、一人じゃどうすればいいか、わからなくて、ええと、なんていうか……」 威勢良く声を上げてしまったが、まだ何を言えばいいか頭の中で纏まっておらずしどろもどろになった。何か言わねば、と焦って口にしたのは。 「つまりその、そう、あたしもあの化け物を倒すのを手伝いたい! ……ってことなんだけど……」 端的だが、言ってしまえばこれがまさに自分のすべきことだという気がしてきた。 どのみちそろそろ動かねばならないと思っていたし、少なくとも好戦的ではないであろう少年は情報交換などの接触の相手としては申し分ない。 「……」 「……あの、何か言ってほしいんだけど」 「あ、すみません! ええと、僕と一緒に戦ってくれるんですか?」 「うん、さっきの演説聞いちゃったしね。よろしく……キラ」 「あ……よろしく、お願いします。アイビスさん」 「呼び捨てでいいよ。そんなに歳離れてなさそうだし」 こうして、共に大事な人を失いながらも歩みを止めない少年と少女は出会った。 □ やってみて良かった、キラは心底そう思った。あれだけの爆発の痕跡からして、正直なところ生存者はいないと思っていた。 キラとしてはこの後接触するであろうナデシコとの対話に向けての予行演習のような気分で喋っていた。 そこにまさか応答が、それも自分の目的に賛同する者が現れるとは。 ロジャーと別れた後(いつの間にかいなくなっていたソシエは、まあロジャーと一緒なら大丈夫だろうと考えることをやめた)、補給の必要のないJアークでは補給ポイントに寄る意味もなく、ならば市街地で人を集めようとこのD-3地点に赴いた。 薙ぎ倒されたビル、穿たれたクレーターなどそこはなにか凄まじい戦闘があったと感じさせる様相を呈していて、しかし見えるところに健在な機体は認められなかった。 トモロにはあまり意味がないと諭されたが、それでもキラは呼びかけずにはいられなかった。 故郷ヘリオポリスが壊滅した時のように、取り残された誰かがいるかもしれないと思ったから。 アイビスという少女と接触後、ネリー・ブレンという機体を甲板に係留し、ブリッジにアイビスを通した。 まずお互いに改めて自己紹介をし、情報を交換していく。 『トモロ0117だ。よろしく頼む』 「わっ!? 何、誰?」 「トモロはこのJアークの制御AIなんだ。僕の仲間だよ」 といった一幕もあり、支給された食糧で慎ましくも穏やかな時間が流れた後。 『キラ、この空域に接近する機体がある。これはF91だ』 「F91……ジョナサンさんが! 無事だったんだ」 もはや懐かしい気分すらする、キラの最初の仲間。 偵察に出ると言ったきり戻ってこなかったが、こちらがダイの討伐に動いたことも合流できなかった原因の一つでもある。とりあえずは謝ろう、と思い、通信を行う。 「こちらはJアーク、キラ・ヤマト。F91、応答して下さい」 「……こちらはガンダムF91、アムロ・レイ。キラ・ヤマト、その白い戦艦がJアークか?」 場所を示す意味も込めて呼びかけるが、帰ってきた声はキラの知らない、だがアイビスの知る声だった。 「……え?」 「アムロ……!? アムロ! あたし、アイビス! 無事だったんだ!」 「アイビス、君も無事だったか。君がその戦艦と一緒にいるということは、信用できる仲間ということか」 アイビスはいきなり呆けたような顔になったキラを押しのけ、通信管に向けて叫んだ。 やがて現れたF91はJアークの前で停止した。その姿はキラがジョナサンと別れた時と違い、激しい戦闘を潜り抜けたことを示すように傷つき、薄汚れていた。 「Jアーク、着艦許可を求む。俺は戦う気はないし、そこにいるアイビスの仲間だ」 「キラ、アムロは信用できるよ。それにすごく強いんだって。これできっとなんとかなるよ!」 「……アムロ、さん。すみませんが僕はまだ、あなたを信用できません」 喜ぶアイビスにキラの返した声はしかし張りつめたものだった。 「ど、どうしたの? アムロは敵じゃないって」 「ごめん、アイビスは少し黙ってて。……トモロ、ジェネレーティングアーマー、いつでも動かせるようにしておいて」 『了解だ、キラ』 俄かに緊張しだしたブリッジで、アイビスはキラを制止しようと操縦席に座る彼の横に立った。 だが強い緊張に強張る横顔を見て口を開けない。まるで敵と戦っているような顔だった。 「……確かに俺と君は面識がない。だが、アイビスから聞いてくれればわかる。俺は戦いに乗っては」 「じゃあその機体はなんですか。それは元は僕に支給されたもので、今は別行動している仲間が乗っていった機体です。 それに、別れたときはそんなに傷ついていなかった。疑う理由としては十分じゃないですか」 アムロに最後まで言わせず、キラは畳みかけた。ジョナサンはたしかに全面的に信用するにはどこか抵抗のある男だったが、だからといって殺して機体を奪ったのなら信用などできるはずもない。 アイビスの様子を見やれば、衝撃を受けたような顔だった。 仲間が人殺しかもしれないと言っているのだから当たり前かな、とキラは胸に痛むものを感じ、しかし追及の手は緩めない。 「あなたがアイビスと別れたとき、乗っていたのは戦闘機だったと聞いています。僕の仲間を殺して奪った、その可能性がないと言い切れるんですか?」 「で、でもアムロはそんなこと……!」 「……アイビス、俺が話す。君は口を挟まないでくれ。 さてキラ、その証明はできない。だが俺からも一つ聞こう。 もし俺が君の言うとおり君の仲間を殺してこの機体を奪ったとして、君はどうするつもりだ? 俺を仇として討つのか?」 返ってきたのは釈明や謝罪ではなく問いかけだった。 数時間前のロジャーとの対峙を思い出す。 あのとき自分は話し合うために人を集めてほしいと言ったが、仇かもしれない相手が眼前にいるこの状況、返す言葉は。 「いいえ。僕はどんな状況であなたがそのF91に乗ったのか知らない。 もしかしたら僕の仲間があなたに襲いかかって返り討ちにされたのかもしれないし、乗り捨てられていたF91をあなたが見つけた、あるいは本当に殺して奪ったのかもしれない。 だから、まずあなたの話を聞いて判断します。その上で、あなたが戦うと、争いの環を広げると言うのなら……」 「……どうする?」 「討ちます。戦いたくはありませんが、少なくとも僕の見ている前では、勝手な理由で誰かの命を奪うことは絶対に許しません」 思えばそう、平和を歌うラクスも戦うことのすべてを否定することはなかった。 想いだけでは成せないことがある。力がなければ、戦わなければ守れないものがある。 だからこそアスランはザフトに入って戦う力を得たのだろうし、自分も望んでストライクに乗ったのだから。 戦うことを躊躇わないのなら、あと必要な物は戦うに値する理由だ。ダイ、ナデシコと戦ったときはそれを誤った。もう二度と同じ轍を踏むわけにはいかない。 「アイビスの言うことを全て信じるわけにはいきませんが、だからといってすべて切り捨てることもできません。 だから、あなたの話を聞いて、それから判断します。あなたと戦うべきかどうかを。それが、僕の譲れない立場です」 言うべきことを言った。キラは警戒を解かず、アムロの返答を待つ。 「了解した、キラ。君の立場は俺に近いもののようだ。ならば俺も示そう、俺の立場を」 モニターの中のF91が動いた。攻撃かと思ったがそうではない。あれは――ー 『F91、コックピットを解放した。あのパイロット、正気か?』 トモロの声にもっともだと思った。警戒されている相手の前で、コックピットを開き生身を晒す。 自分も救助したラクスを引き渡すとき同じことをアスランの前でしたが、あれはアスランなら絶対に裏切らないという幼馴染だからこその信頼があったからだ。 少なくともキラは自分に今、この場で同じことができるとは思わなかった。 「君の仲間はジョナサン・グレーンという男だろう? この機体は彼の仲間から譲られたものだ。今は別行動だが、俺も間接的に彼の仲間と思ってくれていい」 コックピットから出て、ハッチに立つ相手。あの位置ではシートに戻るより確実にこちらの攻撃が早い。 言葉ではない。アムロという男の放つ『覚悟』そのものにキラは呑まれた。 「もう一度言う、俺は戦いに乗っていない。そして、ともに主催者に抗う者を探している。 キラ、君も俺達とともに戦ってほしい。君の気高い『覚悟』、信じるには十分だ。 君の力、想い。それは俺やそこのアイビスとなんら変わらないはずだ。俺を信じてくれないか?」 アムロはこちらを……ブリッジの操縦席にいる自分を認識しているかのように、目線を動かさない。 キラにも理解できていた。この人は戦いに乗っていないと。自分よりよほど強く、そして大人であると。 横に立つアイビスは何か言いたげにもじもじとしている。そういえば黙っててくれと無下に言ってしまったな、と少し後悔した。 「キラ、その……」 「ごめん、アイビス。僕にもわかったから。……トモロ、戦闘態勢を解除して。アムロさん、誘導します。着艦して下さい」 『了解。ジョナサン・グレーンよりよほどマシなやつが来てくれたな』 トモロの皮肉に苦笑する。確かにキラの中にも、どこか邪気のあるジョナサンよりもアムロの方が信頼できるという気持ちが芽生えつつあった。 「信じてくれたか。感謝する、キラ」 「いいえ、僕の方こそ疑ってしまって……」 「もう! ハラハラさせないでよ! あたしだけ除け者みたいだったし!」 「ご、ごめん……」 「いや、アイビス。この状況ではキラくらい慎重になった方がいい。結果的にお互いの立場もわかったしな」 「横で聞いてるだけのあたしは気が気じゃなかったよ! 両方から黙ってろって言われたし!」 「む……それはすまなかった」 「ごめん……」 F91が着艦する。不安やら怒りやらでよくわからない気持ちを吐き出し続ける少女をなだめ、ともに『ガンダム』と浅からぬ縁のある少年と男が出会った。 □ ここにきてようやく追い風が吹いてきた、アムロはそう思った。 戦艦Jアークのブリッジにて邂逅したアイビス、キラ。 懸案だった少女と、自らと同じ志を持つ少年。心強い仲間だ。力は集いつつある。 自己紹介と言うべきものは先程終わっている。一通り情報交換を済ませ、アムロはようやく人心地ついた。 思えばここに来てから気の休まったときはないように感じた。 何故か核ミサイルに乗ったシャアとの出会い、バリアを持つ赤い機体との戦い、アイビスとの出会い。 殺戮者の駆るライオン型のメカとの戦い。それを振り切ったかと思えば唐突に感じた核の光、宿敵の喪失。 廃墟の町で狙撃者と戦い、ニュータイプを知る少年ガロードと出会い。 このF91に乗り換えてすぐ戦った男、ガウルン。思えば奴を仕留め損なったのはまずい。いずれ決着をつけねば。 ……考えてみて。しかしよく生き残れたものだと逆に呆れる。どの戦いも、一手指し損なうだけで刻の涙を見る事態になっただろう。 だがやっと、勝ちの芽が出てきた。 己の力を最大限に出し切れるF91という機体。 新たな仲間キラ、彼の機体Jアークは強力なのが見てわかる。 アイビスもまた、迷いを吹っ切ったようだ。機体は変わっているが、彼女を守るという意志は前の機体と変わらないように思えた。 これで基地でブンドルと合流できれば、脱出は現実的なものとなる。できればカミーユとも合流したいが、今のところ手がかりはない。 彼がそう易々と死ぬとも思わないが、急ぐに越したことはないだろう。 「さて……大体話すべきことは話したな。俺は機体の整備をさせてもらうよ」 口いっぱいに菓子パンを頬張るアイビスと、それを笑いながら見ているキラに声をかけた。 「補給が済んだとはいえ、F91には随分無茶をさせた。ここらで一度しっかり手を入れておきたい。 ああ、その後Jアークの設備を借りてもいいか、トモロ。やっておきたいこともある」 やっておきたいこととはもちろん首輪の解析のことだが、これは口には出さなかった。 盗聴を警戒してのことでもあるが、何故持っているのかと聞かれると説明するのは心苦しいからだ。 「あ、じゃあ僕も手伝います。ガンダムの整備は元々やってたし、慣れてますから」 既にキラも自分やガロードと同じくガンダム乗りだったことは聞いている。 とはいえニュータイプを知らないことから、アムロともガロードとも違う世界のガンダムだという話になったが。 「いや、こう見えても俺は技術者でね。それに整備をやっていたといっても、パイロットがするのはハード面のことだろう? 深刻なのがOS周りなんだ。こればかりは専門でないと分からんさ」 「あ、それならやっぱり力になれると思います。プログラミングは得意ですから」 『それは私も保証しよう。コーディネイターなる種の特性かはわからないが、キラのプログラミング能力は一般人のレベルを超えている。 GGGに勤務していても遜色ないレベルだ』 とトモロが補足する。GGGなるものはよくわからないが、高性能であるのは疑いようもないAIが言うのだから間違いはないのだろう。 「ふむ……ならキラ、手伝ってくれ。F91にはどうも俺の世界の未来の技術が使われているようでな、正直なところ俺も完全に使いこなせるとは言えないんだ」 実際そんなに激しく変化しているわけではなかったが、ここからは聞かれるとまずい。話しつつもその手は取り出した紙に字を連ねていく。 『実は一つ首輪を入手している。死亡していた人物から拝借したものだが、君に解析を頼んでもいいか、キラ?』 紙を見せるとともに懐から首輪を取り出す。今だ血がこびりつくそれを出すのは抵抗があったが。 息を呑むアイビスとキラ、だが取り乱したりはしなかった。その程度には信用されているのだろう。 「わかりました。ただ、やっぱりアムロさんの世界のものですから、僕一人では……」 意図は理解してくれたようだ。首輪を受け取り、しっかりと頷くキラ。 「あ、あたしは何したらいいかな? プログラミングとかできないんだけど……!」 アイビスもただならぬ空気は察したのか、真剣な顔だ。とはいえ彼女には解析技能がない以上、取り立ててしてもらうこともない。 「そうだな……俺とキラが整備をしている間、警戒が疎かになるのも困る。ここで周辺の監視を頼む」 「うん、ついでにアイビスの機体も整備しておくからここはお願いするよ。 ……そうだ、それでももし退屈ならトモロ、Jアークの操縦方法をレクチャーしてあげてよ。 僕も戦艦の操縦なんて得意なわけじゃないから、他にできる人がいた方がいいし」 「わかった。よろしく、トモロ」 『了解した』 ブリッジを出て、キラと他愛もない話をしながら格納庫へと向かう。 本当に、風が吹いてきたようだ。戦力以上に解析のできるキラが仲間に入ったのは大きい。 ブンドルと合流するまで時間はある。少しでも首輪を解析するのは、主催者の手の内を知る大きな一歩となるだろう。 ――ーそうだ、ここから俺達は反撃する。いつまでも俺達がフラスコの中でおとなしくしていると思うなよ……! 心中で吠える。 シャアを殺した者、ガウルン、主催者。敵は多いが、それ以上に心強い仲間がいる。 きっと、俺達は勝利する。楽観かもしれないと思いつつ、アムロはその気持ちを抑えられなかった。 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:精神は持ち成した模様、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない)、満腹 機体状況:ソードエクステンション装備。ブレンバー損壊。 EN100% 無数の微細な傷、装甲を損耗 現在位置:D-3 北部 第一行動方針:周辺の監視 第二行動方針:Jアークの操縦を覚える 最終行動方針:精一杯生き抜く 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー) パイロット状態:健康、ジョナサンを心配(若干の申し訳ない気持ち) 機体状態:ジェイダーへの変形は可能? 各部に損傷多数、EN・弾薬共に100% 反応弾を所持。 現在位置:D-3 北部 第一行動方針:F91、ネリー・ブレンの整備及び首輪の解析 第二行動方針:出来るだけ多くの人を次の放送までにE-3に集める 第三行動方針:ナデシコ組と和解する 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】 【アムロ・レイ 搭乗機体:ガンダムF91( 機動戦士ガンダムF91) パイロット状況:健康、若干の疲労 機体状態:EN100% ビームランチャー消失 背面装甲部にダメージ 頭部バルカン砲・メガマシンキャノン残弾100% 現在位置:D-3 北部 第一行動方針:F91、ネリー・ブレンの整備及びJアークの設備を使い首輪の解析 第二行動方針:基地に向かい首輪の解析 第三行動方針:基地にてブンドルと合流 第四行動方針:協力者の探索(カミーユ優先) 第五行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している ガウルンを危険人物として認識 首輪(エイジ)を一個所持】 【二日目 9 00】 BACK NEXT 判り合える心も 判り合えない心も 投下順 風と雷 追い詰められる、心 時系列順 判り合える心も 判り合えない心も BACK NEXT 疾風、そして白き流星のごとく アムロ 獣の時間 二つの依頼 キラ 獣の時間 Shape of my heart ―人が命懸けるモノ― アイビス 獣の時間
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騎士の美学 ◆C0vluWr0so マサキたち一行と別れた後、ブンドルは東へ進路をとっていた。 「この地図……おおまかな地形は合っているようだな。やはりこれは殺し合いを円滑に行わせるための小道具と見て間違いないだろう」 ブンドルはこれからの目的地について思案していた。 地図を見る限りでは参加者が集まりそうなポイントは三つ。 A-1とC-8、D-8の市街地二つにG-6の基地だ。 市街地ならば建物など障害も多く、食料品なども手に入るだろう。それを考えれば非力な参加者が生き残るために集まってくることは想像に難くない。特に二つのエリアにまたがる南の市街地はその傾向が強いに違いない。 基地は言うまでも無い。この――首元に手を伸ばす――忌々しい首輪。これを解除出来る可能性が最も高いのは十分な設備があるだろう基地だ。高台にあるため、立てこもりにも有利。 ――だがそれゆえに激戦地となることも予想される。出来れば早い段階で確保し、首輪の解析を進めたい。 「……やはり問題は技術者か」 そう、首輪を解析するにしてもそのとき必要になるのは解析スキルを持った技術者。首輪の解除もなしに主催者に歯向かうのは、あまりに分の悪い賭けだ。 基地の確保、技術者の捜索、どちらを優先させるべきか。ブンドルは思案していた。 そのとき、ゲームの進行を告げる放送が会場に響き渡る―― …ラクス=クライン …リリーナ=ドーリアン 『ご褒美は、死んでしまった方を生き返らすことから世界の改変まで望むがままですの』 ブンドルは憤慨していた。自然と声にも怒気がこもる。 「ふん、放送によって狂気を煽るか。……実に美しくない」 しかし、事態は想像以上に進行している。 放送の中に、二つ知った名があった。ラクス=クライン、リリーナ=ドーリアン。 カズイにゼクスだったか、あの二人は。ゼクスは大丈夫だろう。あの青年からは大局を見据える目と、折れない意志を感じた。だがカズイはどうだろうか? ブンドルは知っている。このような極限状態に陥ったとき、もっとも怖いのは彼のような一般人だ。脆い彼らは、簡単に壊れる。 他の八人の死も、狂気の加速を促すに十分だ。 そして、『褒美』の存在。死者の蘇生、世界の改変。本来ならば一笑に付したところだ。 だが今の状況を見てみろ。自分たちは訳も分からずにこんなくだらないゲームに乗せられている。しかも複数の世界の人間がだ。認めたくはないが、あの主催者の力は異常だ。 だが――だからこそ、私はあえて歯向かおう。その力をこんなふざけたことにしか使わないあの怪物に。 さしあたって私がすべきことはなんだ? 基地の確保か? いや、違う。 だいたいにして、人の尊ぶべき美しい命とくだらんゲームのための設備とを比べていたことが間違いだった。 「私はこのゲームの騎士(ナイト)となろう。これ以上命の花を無駄に散らせるわけにはいかん」 基地の確保は後回しだ。人の命は容易く消えるここでも、設備はそうそう消えまい。幸いにもまだ基地は禁止エリアの指定はされていない。先に市街地へ行き、より多くの弱き者たちを守る。それが騎士たる私の使命だ。 再び地図に目をやる。北西と南、どちらへ向かうか。南の市街地の近くで遭遇した二機。あまりにも美しさに欠ける機体だったため接触はしなかったが、向こうには明らかな交渉の意志があった。彼らなら南の市街地に集まる参加者をまとめることが出来るかもしれない。 ならば私が向かうのはA-1に位置する市街地。ここで私は騎士としての使命を果たそう―― 青き翼で風を切り飛んでいくその様は、さながら竜騎士か。 ブンドルは再度誓う。必ずやこのゲームを止めてみせると。 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好、主催者に対する怒り 機体状態:サイバード状態、ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能 現在位置:G-5 第一行動方針:A-1に向かい、技術者をはじめとする一般人を保護する 第二行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ】 【初日 18 20】 BACK NEXT 類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ 投下順 追う鬼、追われる鬼 巨虫、岩を打ち抜いて 時系列順 Time Over ―私の中のあなたにさよならを― BACK NEXT 遥か高くに翼は舞い ブンドル 失われた刻を求めて
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投下順に読む Opening~100 101~200 時系列順に読む 第一回放送まで 第二回放送まで 第三回放送まで 第四回放送まで 参加者ごとに読む キャラ別追跡表 No. タイトル 登場キャラ 登場機体 場所 時刻 作者 map 101 青い翼、白い羽根 アスランカテジナ ファルゲン・マッフラーゼフォン F-5 初日18 50 ◆vBGK6VSBWMさん 102 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 クインシィガロード竜馬クルツ隼人エイジ 真ゲッター大雷鳳ラーズアングリフYF-19フォルテギガスガナドゥール B-3C-1C-8B-1 初日19 40 ◆960Bruf/Mwさん 103 例え死者は喜ばずとも ロジャーシンヤ 騎士鳳牙テッカマンエビル D-8C-8 初日19 25 ◆JF9sfJq3GEさん 104 獅子身中の虫 キョウスケゼクスカズイバーニィモンシアヒイロ孫光龍 ビルトファルケン(L)メディウス・ロクスブラックゲッターレプラカーン G-6 初日20 50 ◆WgWWWgbiY6さん 105 壁に耳あり、障子に目あり シャギアオルバ甲児比瑪バサラ ヴァイクランディバリウムナデシコプロトガーランド C-5 初日19 30 ◆960Bruf/Mwさん 106 大いなる誤解 キラテニアムサシマサキソシエ Jアークベルゲルミル(ウルズ機)RX-78-2ガンダム百式 C-6 初日21 30 ◆C0vluWr0soさん 107 暗い水の底で 統夜ラキ ヴァイサーガネリー・ブレン G-8F-8 初日21 00 ◆7vhi1CrLM6さん 108 星落ちて石となり カテジナアイビスシャア ラーゼフォンヒメ・ブレン核ミサイル F-1E-2F-2 初日21 00 ◆7vhi1CrLM6さん 109 Take a shot クルツ竜馬シンヤ ラーズアングリフ大雷鳳テッカマンエビル C-8 初日21 00 ◆C0vluWr0soさん 110 広がる波紋 ユーゼスベガカミーユキラテニアムサシマサキソシエ メリクリウス月のローズセラヴィーVF22S・Sボーゲル2FJアークベルゲルミル(ウルズ機)RX-78-2ガンダムアルトアイゼン D-6 初日21 40or22 30 ◆960Bruf/Mwさん 111 とある竜の恋の歌 アキトユリカロジャーガウルン YF-21ダイ騎士鳳牙マスターガンダム D-7 初日22 00 ◆C0vluWr0soさん 112 失われた刻を求めて アムロブンドルゴステロギンガナム VF-1Jバルキリー(ミリア機)サイバスタースターガオガイガーシャイニングガンダム A-1H-1 初日21 20 ◆C0vluWr0soさん 113 火消しと狼 キョウスケゼクスカズイ ビルトファルケン(L)メディウス・ロクス G-6 初日22 10 ◆7vhi1CrLM6さん 114 爆熱! ゴッド晩ごはん!! ギンガナム シャイニングガンダム H-1 初日22 00 ◆ZbL7QonnV.さん 115 鍵を握る者 噛合わない歯車(1)鍵を握る者 噛合わない歯車(2) キラソシエテニアムサシマサキアキトユリカロジャーガウルンシャギアオルバ甲児比瑪バサラ Jアークベルゲルミル(ウルズ機)RX-78-2ガンダムアルトアイゼンYF-21ダイ騎士鳳牙マスターガンダムヴァイクランディバリウムナデシコプロトガーランド D-7 二日目0 00or1 00 ◆7vhi1CrLM6さん 116 愛を取り戻せ アキトアルフィミィ アルトアイゼン ??? 二日目1 30 ◆ZbL7QonnV.さん 117 死人の呪い アイビス ヒメ・ブレン E-2 初日22 10 ◆960Bruf/Mwさん 118 我が道を走る人々 クインシィジョナサンガロード 真ゲッターガンダムF91 B-4 初日22 30 ◆C0vluWr0soさん 119 未知との遭遇 ユーゼスベガカミーユ メリクリウス月のローズセラヴィーVF-22・Sボーゲル2F B-5 初日22 30 ◆C0vluWr0soさん 120 Unlucky Color アムロブンドルギンガナムクルツアイビス ガナドゥールサイバスターシャイニングガンダムヒメ・ブレン B-1B-2 初日23 40 ◆7vhi1CrLM6さん 121 謀 ―tabakari― ユーゼスベガキョウスケカミーユバーニィ メリクリウス月のローズセラヴィービルトファルケン(L)VF-22・Sボーゲル2F G-6 二日目1 20 ◆7vhi1CrLM6さん 122 ・――言葉には力を与える能がある(1)・――言葉には力を与える能がある(2) キラソシエロジャーガウルンシャギアオルバ甲児比瑪テニアバサラムサシ Jアーク騎士鳳牙マスターガンダムヴァイクランディバリウムナデシコベルゲルミルプロトガーランドRX-78-2ガンダム D-6???D-7 二日目2 30 ◆C0vluWr0soさん 123 私は人ではない クインシィジョナサン竜馬ラキ 真ゲッター大雷鳳ネリー・ブレン C-6C-5 二日目0 30 ◆7vhi1CrLM6さん 124 吼えろ拳/燃えよ剣 アムロガロードギンガナムブンドル ストレーガガンダムF91シャイニングガンダムサイバスター B-1B-3 二日目3 00 ◆C0vluWr0soさん 125 心、千々に乱れて キョウスケカミーユカテジナ統夜 ビルトファルケン(L)VF-22・Sボーゲル2Fラーゼフォンヴァイサーガ G-8 二日目2 50 ◆7vhi1CrLM6さん 126 これから キョウスケカミーユ ビルトファルケン(L)VF-22・Sボーゲル2F G-8 二日目3 20 ◆C0vluWr0soさん 127 何をもって力と成すのか ロジャーキラソシエ 騎士鳳牙Jアーク E-3 二日目4 00 ◆7vhi1CrLM6さん 128 『未知』と『道』 ユーゼスベガバーニィ メディウス・ロクス月のローズセラヴィー G-6 二日目3 30 ◆C0vluWr0soさん 129 決意と殺意 アキト統夜 アルトアイゼンヴァイサーガ G-8A-7 二日目3 00or3 15 ◆pqQ1ngVOkgさん 130 Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(1)Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(2)Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(3)Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(4) アイビスクルツラキブンドルギンガナムガウルン ヒメ・ブレンラーズアングリフネリー・ブレンサイバスターシャイニングガンダムマスターガンダム D-3 二日目5 30 ◆7vhi1CrLM6さん 131 解し得ぬ存在 ユーゼスベガバーニィ竜馬 メディウス・ロクスローズセラヴィー大雷鳳 G-6 二日目4 30 ◆7vhi1CrLM6さん 132 ヘヴンズゲート ブンドル サイバスター D-3 二日目5 45 ◆ZbL7QonnV.さん 133 Withdrawal Symptoms アキトキョウスケカミーユ アルトアイゼンビルトファルケン(L)VF-22・Sボーゲル2F G-8 二日目4 15 ◆7vhi1CrLM6さん 134 それぞれの思惑 クインシィジョナサンアムロガロード 真ゲッターストレーガガンダムF91 B-1C-6 二日目4 50 ◆C0vluWr0soさん 135 夜明けの遠吠え シャギアオルバ比瑪甲児テニアバサラ ヴァイクランディバリウムナデシコベルゲルミルプロトガーランド C-8 二日目5 40 ◆7vhi1CrLM6さん 136 張り詰めすぎた少年 ロジャーキラソシエ 騎士凰牙Jアーク E-3 二日目5 45 ◆7vhi1CrLM6さん 137 アキトとキョウスケ アキトキョウスケ アルトアイゼンビルトファルケン(L) G-8 二日目5 05 ◆7vhi1CrLM6さん 138 決意の刃を鞘に潜ませ 統夜 ヴァイサーガ B-7 二日目5 20 ◆ruQu1a.CGoさん 139 ハンドベノン 竜馬ベガ 大雷凰ローズセラヴィー G-6 二日目4 40 ◆ZbL7QonnV.さん 140 穴が空く(1)穴が空く(2) ユーゼスベガカミーユバーニィ竜馬 メディウス・ロクスローズセラヴィーVF-22・Sボーゲル2F大雷凰メリクリウス G-6 二日目5 55 ◆7vhi1CrLM6さん 141 第二回放送 アルフィミィ なし 不明 二日目6 00 139さん 142 ゲッターロボ 竜馬 なし 不明 二日目??? ◆ZbL7QonnV.さん 143 戦いの矢(1)戦いの矢(2) クインシィジョナサン統夜アムロガロードガウルン 真ゲッターヴァイサーガガンダムF91ストレーガマスターガンダム C-8 二日目6 36 ◆ZqUTZ8BqI6さん 144 悪魔降臨・死の怪生物(インベーダー)たち アルフィミィ デビルガンダム 不明 二日目6 50 ◆ZbL7QonnV.さん 145 朝ごはんは一日の活力です!! シャギアオルバ比瑪甲児テニアバサラ ヴァイクランディバリウムナデシコベルゲルミルプロトガーランド C-8 二日目6 25 ◆7vhi1CrLM6さん 146 命の残り火 シャギア比瑪甲児バサラ統夜ガロードクインシィジョナサン ヴァイクランナデシコ旧ザクプロトガーランドヴァイサーガストレーガ真ゲッター C-8 二日目7 15 ◆7vhi1CrLM6さん 147 leaving me blue アキトキョウスケ アルトアイゼンビルトファルケン(L) G-7 二日目6 05 ◆ZqUTZ8BqI6さん 148 疾風、そして白き流星のごとく アムロブンドルガウルン統夜 ガンダムF91サイバスターマスターガンダムヴァイサーガ C-8D-8 二日目7 35 ◆VvWRRU0SzUさん 149 二つの依頼 ロジャーキラソシエ 騎士凰牙Jアーク E-2E-4 二日目6 55 ◆7vhi1CrLM6さん 150 選択のない選択肢 SIDE:A選択のない選択肢 SIDE:B 統夜ガウルン ヴァイサーガマスターガンダム C-8 二日目7 50 ◆7vhi1CrLM6さん 151 計算と感情の間で オルバテニア ディバリウムベルゲルミル C-7 二日目7 30 ◆C0vluWr0soさん 152 家路の幻像(1)家路の幻像(2) バーニィユーゼスカミーユキョウスケアキトベガ メディウス・ロクスVF-22・Sボーゲル2Fビルトファルケン(L)アルトアイゼン G-6 二日目6 35 ◆7vhi1CrLM6さん 153 適材適所 シャギア比瑪甲児バサラガロードクインシィ ヴァイクランナデシコプロトガーランドストレーガ真ゲッター C-8 二日目8 30 ◆YYVYMNVZTkさん 154 古よりの監査者 アルフィミィノイ・レジセイア デビルガンダム ネビーイーム 二日目7 45 ◆7vhi1CrLM6さん 155 追い詰められる、心 統夜ガウルン ヴァイサーガマスターガンダム C-8 二日目9 00 ◆YYVYMNVZTkさん 156 争いをこえて オルバテニアロジャーソシエ ディバリウムベルゲルミル騎士凰牙 E-6 二日目8 40 ◆7vhi1CrLM6さん 157 判り合える心も 判り合えない心も シャギアガロード比瑪バサラクインシィ甲児ブンドル ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターストレーガサイバスター C-8D-8 二日目9 10 ◆7vhi1CrLM6さん 158 黄金の精神 アムロキラアイビス ガンダムF91Jアークネリー・ブレン D-3 二日目9 00 ◆VvWRRU0SzUさん 159 風と雷 ブンドル甲児 サイバスターストレーガ E-7 二日目10 00 ◆ZbL7QonnV.さん 160 すべて、撃ち貫くのみ(1)すべて、撃ち貫くのみ(2) ユーゼスアキトカミーユキョウスケバーニィアルフィミィノイ・レジセイア メディウス・ロクスブラックゲッターVF-22・Sボーゲル2FゲシュペンストMkⅢデビルガンダム F-7G-5G-6ネビーイーム 二日目7 55 ◆VvWRRU0SzUさん 161 生き残る罪 キョウスケテニアオルバ ゲシュペンストMkⅢベルゲルミルディバリウム G-6G-5 二日目9 30 ◆7vhi1CrLM6さん 162 最後まで掴みたいもの ユーゼスアキト メディウス・ロクスブラックゲッター F-7 二日目8 55 ◆YYVYMNVZTkさん 163 仮面の奥で静かに嗤う ユーゼスアキトブンドル甲児 メディウス・ロクスブラックゲッターサイバスターストレーガ E-6E-7 二日目11 00 ◆VvWRRU0SzUさん 164 揺れる心の錬金術師 アルフィミィ デビルガンダム ネビーイーム 二日目8 50 ◆7vhi1CrLM6さん 165 変わりゆくもの シャギアガロード比瑪バサラクインシィ ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッター B-1 二日目10 30 ◆YYVYMNVZTkさん 166 交錯線(1)交錯線(2) ロジャーソシエガウルン統夜 騎士凰牙マスターガンダムヴァイサーガ D-7 二日目10 30 ◆7vhi1CrLM6さん 167 獲物の旅 カミーユテニア VF-22・Sボーゲル2Fベルゲルミル F-4G-3 二日目10 20 ◆VvWRRU0SzUさん 168 獣の時間(1)獣の時間(2) アムロキラアイビスカミーユ ガンダムF91Jアークネリー・ブレンVF-22・Sボーゲル2F D-3 二日目12 00 ◆VvWRRU0SzUさん 169 天使再臨 ユーゼスアキト メディウス・ロクスラーゼフォンブラックゲッター G-8 二日目11 50 ◆VvWRRU0SzUさん 170 Lonely Soldier Boys &girls シャギアガロード比瑪バサラクインシィテニア統夜ガウルン ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターマジンガーZベルゲルミルヴァイサーガマスターガンダム F-1 二日目12 20 ◆ZqUTZ8BqI6さん 171 遺されたもの ロジャーソシエ 騎士凰牙恐竜ジェット機ガナドゥール B-1 二日目11 40 ◆VvWRRU0SzUさん 172 膨れ上がる悪夢 キョウスケ ゲシュペンストMkⅢ G-6 二日目12 30 ◆ZqUTZ8BqI6さん 173 破滅の足音 アムロキラアイビスカミーユブンドル甲児 ガンダムF91Jアークネリー・ブレンVF-22・Sボーゲル2Fサイバスターストレーガ D-3E-2 二日目13 15 ◆7vhi1CrLM6さん 174 心の天秤 シャギアガロードバサラクインシィガウルン ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターマジンガーZマスターガンダム F-1 二日目14 00 ◆YYVYMNVZTkさん 175 Stand by Me テニア統夜 ベルゲルミルヴァイサーガ H-1 二日目14 30 ◆YYVYMNVZTkさん 176 驕りと、憎しみと ユーゼスアキト メディウス・ロクスラーゼフォンブラックゲッター G-1 二日目14 15 ◆7vhi1CrLM6さん 177 かくして漢は叫び、咆哮す シャギアガロードバサラクインシィガウルンアキト ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターマジンガーZマスターガンダムブラックゲッター F-1 二日目14 40 ◆7vhi1CrLM6さん 178 王の下に駒は集まる ユーゼステニア統夜 メディウス・ロクスラーゼフォンベルゲルミルヴァイサーガ H-1 二日目14 45 ◆VvWRRU0SzUさん 179 怒れる瞳(1)怒れる瞳(2)戦場に響く歌声(1)戦場に響く歌声(2)世界を止めて(1)世界を止めて(2)眠れる基地の魔王、悪が振るう剣 シャギアアイビス甲児キラロジャーソシエブンドルバサラ竜馬ガロードクインシィアキトユーゼスアムロカミーユガウルンテニア統夜キョウスケアルフィミィ ヴァイクランネリー・ブレンストレーガ騎士凰牙ガナドゥールサイバスターラーゼフォン真・ゲッターマジンガーZナデシコ旧ザクプロトガーランドブラックゲッターメディウス・ロクスガンダムF91VF-22・Sボーゲル2FJアークシャイニングガンダムマスターガンダムペガスダイゼンガーベルゲルミルヴァイサーガゲシュペンストMkⅢデビルガンダム A-1D-3E-1F-1G-6ネビーイーム 二日目15 05or15 30 ◆VvWRRU0SzUさん 180 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! アムロカミーユギンガナム ガンダムF91VF-22・Sボーゲル2FJアークシャイニングガンダム D-3 二日目16 00 ◆ZqUTZ8BqI6さん 181 排撃者――表排撃者――裏 ガウルンテニア統夜キョウスケアルフィミィ ダイゼンガーベルゲルミルヴァイサーガゲシュペンストMkⅢデビルガンダム A-1F-6ネビーイーム 二日目16 10 ◆ZqUTZ8BqI6さん 182 時の結実――すなわち成長 シャギアアイビス甲児キラロジャーソシエブンドルバサラユーゼスアキト ネリー・ブレンストレーガガナドゥール騎士鳳牙サイバスターラーゼフォンメディウス・ロクスブラックゲッター D-2F-1 二日目16 50 ◆ZqUTZ8BqI6さん 183 闇の彼方に伸ばす指先 アムロカミーユキラアイビス甲児ソシエロジャーブンドルバサラシャギア ガンダムF91VF-22S・SボーゲルJアークネリー・ブレンストレーガガナドゥール騎士鳳牙サイバスターラーゼフォン D-3 二日目18 00 ◆VvWRRU0SzUさん 184 もう一つの対主催 ユーゼスアキトガウルン統夜テニア メディウス・ロクスブラックゲッターダイゼンガーヴァイサーガベルゲルミル A-1 二日目18 00 ◆YYVYMNVZTkさん 185 第三回放送 アルフィミィ デビルガンダム ネビーイーム 二日目18 00 ◆ZqUTZ8BqI6さん 186 貫け、奴よりも速く キョウスケ ゲシュペンストMkⅢ D-7 二日目18 00 ◆VvWRRU0SzUさん 187 伏せた切り札 全ては己が目的のために ユーゼスアキトガウルン統夜テニア メディウス・ロクスブラックゲッターダイゼンガーヴァイサーガベルゲルミル B-2A-2 二日目18 30 ◆ZqUTZ8BqI6さん 188 銃爪は俺が引く ユーゼスアキト メディウス・ロクスブラックゲッター B-2 二日目19 00 ◆VvWRRU0SzUさん 189 life goes on(1)life goes on(2) アムロカミーユキラアイビス甲児ソシエロジャーブンドルバサラシャギアキョウスケ ガンダムF91VF-22S・SボーゲルJアークネリー・ブレンストレーガガナドゥール騎士鳳牙サイバスターラーゼフォンゲシュペンストMkⅢ D-3 二日目20 00 ◆XrXin1oFz6さん 190 moving go on(1)moving go on(2)moving go on(3)moving go on(4) アムロカミーユアイビス甲児ロジャーシャギアキョウスケ ガンダムF91VF-22S・Sボーゲルネリー・ブレンストレーガガナドゥールフォルテギガス騎士鳳牙サイバスターゲシュペンストMkⅢ D-3 二日目20 30 ◆XrXin1oFz6さん 191 Alchimie , The Other Me ノイ・レジセイアアルフィミィアルフィミィ デビルガンダムペルゼイン・リヒカイト ネビーイーム 二日目20 30 ◆XrXin1oFz6さん 192 竜が如く ガウルンテニア統夜アルフィミィ ダイゼンガーヴァイサーガベルゲルミル H-3 二日目20 45 ◆VvWRRU0SzUさん 193 Alter code Fire2nd IgnitionAdvanced 3rdAdvanced 3rd(2)The 4th DetonatorThe 4th Detonator(2)The 5th Vanguard ガウルン統夜テニアユーゼスアキトカミーユアイビスロジャーシャギアソシエバサラキラアルフィミィ ダイゼンガーヴァイサーガベルゲルミルメディウス・ロクスブラックゲッターF91Jアークネリー・ブレン騎士鳳牙サイバスターラーゼフォンアルトアイゼン・リーゼデビルガンダム E-3ネビーイーム 三日目2 00 ◆VvWRRU0SzUさん 194 彼方よりの帰還 カミーユアイビスロジャーアキト統夜ノイ・レジセイアAI1 サイバスターネリー・ブレン騎士凰牙アルトアイゼン・リーゼヴァイサーガペルゼイン・リヒカイトデュミナス ネビーイーム 三日目2 30 ◆7vhi1CrLM6さん 195 楽園からの追放者(1)楽園からの追放者(2) 統夜アキトロジャー ヴァイサーガアルトアイゼン・リーゼ騎士鳳牙 ネビーイーム 三日目2 45 ◆VvWRRU0SzUさん 196 ネクスト・バトルロワイアル(1)ネクスト・バトルロワイアル(2)ネクスト・バトルロワイアル(3)ネクスト・バトルロワイアル(4)ネクスト・バトルロワイアル(5)ネクスト・バトルロワイアル(6)ネクスト・バトルロワイアル(7)ネクスト・バトルロワイアル(8)ネクスト・バトルロワイアル(9) カミーユアイビスロジャーアキト統夜ノイ・レジセイアAI1 サイバスターネリー・ブレン騎士凰牙アルトアイゼン・リーゼヴァイサーガペルゼイン・リヒカイトデュミナス ネビーイーム 三日目??? ◆XrXin1oFz6さん
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作品名:ハ行の巨大ロボットアニメ作品のうち、2010年5月以降で完走した(またはリアルタイム鑑賞中の)作品の全リスト。 ※「巨大ロボットアニメ」:通常の巨大ロボットアニメの他、①巨大ロボットが多数登場する、等身大ロボットが主人公の作品 ②SRW参戦済作品全般 を含む ※「参考作品(その他アニメ)」何らかの巨大メカ成分を含むアニメを抜粋 ※キャスト記載は原則的に8名以内に厳選。 ※キャストの注記 <主>:主人公 <パ>:主人公の異性のパートナー <仲>:その他の仲間 <敵>:敵 <ラ>:非戦闘系作品における対抗者(ライバル) <他>:その他 ※主要メカ・主要兵器の表記 [機体の一般分類](メカの種別)/メカの名前(作品中での位置づけ概要) ※キャスト、主要メカの色 青色:男性 ピンク:女性 緑色:性別なし(純粋なメカ) ※SRW初出のうち、実質的な初参戦作品(参戦作品として正式にラインナップされていないもの)は緑字で記載 <SF映像作品リスト> SF映像作品リスト01( - 1999年) SF映像作品リスト02(2000年 - )巨大ロボットアニメとその関連作品、SFファンタジーアニメと一般アニメ(参考掲載)、特撮作品 <巨大ロボットアニメリスト> 巨大ロボットアニメリスト(ア行) 巨大ロボットアニメリスト(カ行) 巨大ロボットアニメリスト(サ行) 巨大ロボットアニメリスト(タ行) 巨大ロボットアニメリスト(ナ行) 巨大ロボットアニメリスト(ハ行)VS騎士ラムネ 40炎(1996-)(関連)VS騎士ラムネ 40FRESH(1997-) 覇王大系リューナイト(1994-) 破邪大星ダンガイオー(1987-) HEROMAN(2010-) ビデオ戦士レザリオン(1984-) <※参考掲載>百獣王ゴライオン(1981-) フルメタル・パニック!(2002-)(関連)フルメタル・パニック?ふもっふ(2003-) (第2期)フルメタル・パニック! The Second Raid(2005-) ブレイクブレイド・第一章「覚醒ノ刻」(かくせいのとき)(2010-)・第二章「訣別ノ路」(けつべつのみち)(2010-)・第三章「凶刃ノ痕」(きょうじんのきず)(2010-)・第四章「惨禍ノ地」(さんかのち)(2010-)・第五章「死線ノ涯」(しせんのはて)(2011-)・第六章「慟哭ノ砦」(どうこくのとりで)(2011-) ブレンパワード(1998-) 冥王計画ゼオライマー(1988-) <※参考掲載>ベターマン(1999-) <※参考掲載>冒険!イクサー3(1990-) ほしのこえ(2002-) ~~~~~ <参考作品:その他アニメ>ビビッドレッド・オペレーション(2013-) <参考作品:その他アニメ>ふしぎの海のナディア(1990-) <参考作品:その他アニメ>新世紀GPXサイバーフォーミュラ(1991-)<参考作品:その他アニメ>(関連)新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(1992-) <参考作品:その他アニメ>(関連)新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO(1994-) <参考作品:その他アニメ>(関連)新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA(1996-) <参考作品:その他アニメ>(関連)新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN(1998-) <参考作品:その他アニメ>Project BLUE 地球SOS(2006-) 巨大ロボットアニメリスト(マ行) 巨大ロボットアニメリスト(ヤ行) 巨大ロボットアニメリスト(ラ・ワ行)主要参考作品リスト(特撮・ウルトラマンシリーズ) 主要参考作品リスト(特撮・仮面ライダーシリーズ) 主要参考作品リスト(特撮・スーパー戦隊シリーズ) 主要参考作品リスト(特撮・メタルヒーローシリーズ) <SF・ファンタジーアニメリスト> SF・ファンタジーアニメリスト(ア行) SF・ファンタジーアニメリスト(カ行) SF・ファンタジーアニメリスト(サ行) SF・ファンタジーアニメリスト(タ行) SF・ファンタジーアニメリスト(ナ行) SF・ファンタジーアニメリスト(ハ行) SF・ファンタジーアニメリスト(マ行) SF・ファンタジーアニメリスト(ヤ行) SF・ファンタジーアニメリスト(ラ・ワ行) <◆ハ> ◆VS騎士ラムネ 40炎【2文字アルファベットシリーズ】(バーサスナイト ラムネアンドフォーティーファイアー) 媒体 TV・アニメ 時期 1996 4/3- 作品の長さ 26話 / 計10.4時間 キャスト <仲>3代目勇者ラムネス / 馬場ラムネード(CV 草尾毅)<仲>ダ・サイダー(CV 矢尾一樹)<仲>パフェ(CV 宮村優子)<仲>カカオ(CV 氷上恭子)<仲>PQ(CV こおろぎさとみ)<仲>ヘビメタコ(CV TARAKO)<仲>ドラム(CV 今井由香)<仲>ミト・ナット(CV 森久保祥太郎)<仲>仮面の勇者 赤風 / 馬場ラムネ(CV 草尾毅)<仲>仮面の勇者 桃風 / アララ・ミルク(CV 横山智佐)<敵>ナルシスト・ダンディ(CV 松本保典)<敵>フェロモン・リップ(CV 根谷美智子)<敵>ドン・ジェノサイ(CV 塩屋浩三)<敵>ブラックラムネス / 大邪神アブラーム(CV 結城比呂 / 飯塚昭三) 主要メカ主要兵器 [神霊騎士](巨大ロボ)カイゼルファイヤー(主人公コンビ搭乗機)[邪霊騎士](巨大ロボ) 関連作品(1) ◆VS騎士ラムネ 40FRESH【2文字アルファベットシリーズ】(バーサスナイト ラムネアンドフォーティーフレッシュ)【主要追加キャスト】<仲>レモン(CV 矢島晶子)<敵>ラムファード・オリシス(CV 草尾毅)<敵>エレクトーン(CV 今井由香)<敵>ドン・ウォッカー(CV 小杉十郎太)【主要追加メカ】[アーマードビーグル]A-26SX「伝説の騎士」 媒体 OVA 時期 1997 5/21- 作品の長さ 6話 / 計2.7時間 ◆覇王大系リューナイト(はおうたいけいリューナイト)★スパロボ初参戦:NEO(2009年) 媒体 TV・アニメ 時期 1994 4/22- 作品の長さ 52話 / 計20.8時間 キャスト <主>アデュー・ウォルサム(CV 結城比呂)<パ>パッフィー・パフリシア(CV 矢島晶子)<仲>サルトビ(CV 西村智博)<仲>イズミ(CV 小杉十郎太)<仲>グラチェス(CV 置鮎龍太郎)<仲>月心(CV 松本保典)<仲>カッツェ&ヒッテル(CV 永島由子&関俊彦)<敵>ガルデン(CV 辻谷耕史) 主要メカ主要兵器 [リュー](巨大ロボ)リューナイト・ゼファー(主人公搭乗機)リューパラディン・ロードゼファー(主人公搭乗機) ◆破邪大星ダンガイオー(はじゃたいせいダンガイオー)★スパロボ初参戦:COM2(2000年) 媒体 OVA 時期 1987 9/28- 作品の長さ 3話 / 計1.8時間 キャスト <主>ロール・クラン(CV 神谷明)<主>ミア・アリス(CV 荘真由美)<主>ランバ・ノム(CV 岡本麻弥)<主>パイ・サンダー(CV 松井菜桜子)<仲>ターサン博士(CV 青野武)<敵>ギル・バーグ(CV 千葉繁)<敵>シャザーラ(CV 勝生真沙子)<敵>ガリモス大船長(CV 緒方賢一) 主要メカ主要兵器 [ダン・メカニック](宇宙戦闘機 / 巨大ロボ)ダンガイオー(主人公チーム搭乗機) <◆ヒ> ◆HEROMAN(ヒーローマン)★スパロボ初参戦:UX(2013年) 媒体 TV・アニメ 時期 2010 4/1- 作品の長さ 26話 / 計10.4時間 キャスト <主>ジョセフ・カーター・ジョーンズ / ジョーイ(CV 小松未可子)<パ>リナ・デイヴィス(CV 小幡真裕)<仲>サイモン・カイナ / サイ(CV 木村良平)<仲>マシュー・デントン(CV チョー)<他>ウイリアム・デイヴィス / ウィル(CV 保村真)<仲>ホリー・バージニア・ジョーンズ(CV 小笠原亜里沙)<敵>ドクターミナミ(CV 松本保典)<敵>ゴゴール(CV 石塚運昇) 主要メカ主要兵器 [ - ](等身大ロボ)<主>ヒーローマン[CV 竹内良太][スクラッグ](異星生命体) ◆ビデオ戦士レザリオン【八手三郎ロボットアニメシリーズ】(ビデオせんしレザリオン) 媒体 TV・アニメ 時期 1984 3/4- 作品の長さ 45話 / 計18.0時間 キャスト <主>香取敬(CV 古谷徹)<パ>オリビア・ローレンス(CV 潘恵子)<仲>ブルーハイム(CV 滝雅也)<仲>チャールズ・ダナー(CV 若本紀昭)<仲>サハラ(CV 山田栄子)<敵>ゴッドハイド博士(CV 蟹江栄司)<敵>プロミネンス総統(CV 滝雅也)<敵>ギャリオ(CV 森功至) 主要メカ主要兵器 [ - ](巨大ロボ)レザリオン(主人公搭乗機) ◆百獣王ゴライオン(ひゃくじゅうおうゴライオン)★スパロボ初参戦:W(2007年) ※2010/5以降で未チェックの作品。スパロボ参戦済のため参考掲載 <◆フ> ◆フルメタル・パニック!【フルメタシリーズ】(フルメタルパニック!)★スパロボ初参戦:J(2005年) 媒体 TV・アニメ 時期 2002 1/15- 作品の長さ 24話 / 計9.6時間 キャスト <主>相良宗介(CV 関智一)<パ>千鳥かなめ(CV 雪乃五月)<仲>クルツ・ウェーバー(CV 三木眞一郎)<仲>メリッサ・マオ(CV 根谷美智子)<仲>テレサ・テスタロッサ(CV ゆかな)<仲>アンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニン(CV 大塚明夫)<仲>風間信二(CV 能登麻美子)<敵>ガウルン(CV 田中正彦) 主要メカ主要兵器 [AS<アーム・スレイブ>](巨大ロボ)ARX-7 アーバレスト(主人公搭乗機)[ - ](潜水艦)TDD-1 トゥアハー・デ・ダナン(主人公達の母艦) 関連作品(1) ◆フルメタル・パニック?ふもっふ【フルメタシリーズ】★スパロボ初参戦:J(2005年)【主要追加キャスト】<仲>林水敦信(CV 森川智之)<仲>美樹原蓮(CV 田中理恵)<仲>ボン太くん(CV 金田朋子) 媒体 OVA 時期 2003 8/26- 作品の長さ 12話 / 計4.8時間 ◆第2期 ◆フルメタル・パニック! The Second Raid【フルメタシリーズ】★スパロボ初参戦:W(2007年)【主要追加キャスト】<仲>ベルファンガン・クルーゾー(CV 小山力也)<他>レイス(CV 大原さやか)<敵>レナード・テスタロッサ(CV 浪川大輔)<敵>ゲイツ(CV 大塚芳忠) 媒体 TV・アニメ 時期 2005 7/13- 作品の長さ 26話 / 計10.4時間 ◆ブレイクブレイド(ブレイクブレイド) 第一章「覚醒ノ刻」(かくせいのとき)2010 5/29- 第二章「訣別ノ路」(けつべつのみち)2010 6/26- 第三章「凶刃ノ痕」(きょうじんのきず)2010 9/25- 第四章「惨禍ノ地」(さんかのち)2010 10/30- 第五章「死線ノ涯」(しせんのはて)2011 1/22- 第六章「慟哭ノ砦」(どうこくのとりで)2011 3/26- 媒体 映画・アニメ 時期 2010 5/29- 作品の長さ 6作品 / 計4.8時間 キャスト <主>ライガット・アロー(CV 保志総一朗)<仲>シギュン・エルステル(CV 斎藤千和)<仲>ホズル(クリシュナ9世)(CV 中村悠一)<仲>バルド・ジ・アラン・アルヴァトロス(CV 菅原正志)<敵>ゼス(CV 神谷浩史)<敵>クレオ・サーブラフ(CV 花澤香菜)<敵>リィ・シウルアン・シェーロン(CV 甲斐田裕子)<敵>ボルキュス・デュッセンルドルフ(CV 中井和哉) 主要メカ主要兵器 [魔動巨兵(ゴゥレム)](巨大ロボ)デルフィング(主人公搭乗機) ◆ブレンパワード(ブレンパワード)★スパロボ初参戦:第2次α(2003年) 媒体 TV・アニメ 時期 1998 4/8- 作品の長さ 26話 / 計10.4時間 キャスト <主>伊佐未勇(CV 白鳥哲)<パ>宇都宮比瑪(CV 村田秋乃)<仲>アノーア・マコーミック(CV 磯辺万沙子)<仲>カナン・ギモス(CV 朴璐美)<仲>ラッセ・ルンベルク(CV 三木眞一郎)<仲>カント・ケストナー(CV 佐々木るん)<敵>クインシィ・イッサー / 伊佐未依衣子(CV 渡辺久美子)<敵>ジョナサン・グレーン(CV 青羽剛) 主要メカ主要兵器 [アンチボディ「ブレンパワード」](巨大ロボ)ユウ・ブレン(主人公搭乗機)[アンチボディ「グランチャー」](巨大ロボ)ジョナサン・グランチャー(ジョナサン搭乗機)[ - ](空母)ノヴィス・ノア(主人公達の母船)[ - ](生体宇宙船)オルファン(物語のキー・ポイント) ◆冥王計画ゼオライマー(プロジェクトゼオライマー)★スパロボ初参戦:MX(2004年) 媒体 OVA 時期 1988 11/26- 作品の長さ 4話 / 計1.6時間 キャスト <主>秋津マサト / 木原マサキ(CV 関俊彦)<パ>氷室美久(CV 本多知恵子)<仲>沖功(CV 田中秀幸)<敵>幽羅帝(CV 荘真由美)<敵>耐爬(CV 鈴置洋孝)<敵>シ・アエン&シ・タウ(CV 佐久間レイ&佐々木優子)<敵>葎(CV 速水奨)<敵>塞臥(CV 塩沢兼人) 主要メカ主要兵器 [八卦ロボ](巨大ロボ)天のゼオライマー(主人公ペア搭乗機) <◆ヘ> ◆ベターマン(ベターマン)★スパロボ初参戦:COM3(2003年) ※2010/5以降で未チェックの作品。スパロボ参戦済のため参考掲載 <◆ホ> ◆冒険!イクサー3(ぼうけん!イクサースリー)★スパロボ初参戦:L(2010年) ※2010/5以降で未チェックの作品。スパロボ参戦済のため参考掲載 ◆ほしのこえ(ほしのこえ) 媒体 映画・アニメ 時期 2002 2/2- 作品の長さ - / 計0.4時間 キャスト <主>長峰美加子(CV 篠原美香 / 武藤寿美)<パ>寺尾昇(CV 新海誠 / 鈴木千尋) 主要メカ主要兵器 [トレーサー](巨大ロボ)[ - ](宇宙戦艦)リシテア(主人公達の母艦) <◆参考作品(漫画・ゲーム/ハ~ホ)> <◆参考作品(その他アニメ/ハ~ホ)> ◆ビビッドレッド・オペレーション(ビビッドレッド オペレーション) 媒体 TV・アニメ 時期 2013 1/10- 作品の長さ 12話 / 計4.8時間 キャスト <主>一色あかね(CV 佐倉綾音)<仲>二葉あおい(CV 村川梨衣)<仲>三枝わかば(CV 大坪由佳)<仲>四宮ひまわり(CV 内田彩)<他>黒騎れい(CV 内田真礼)<仲>一色もも(CV 大亀あすか)<仲>一色健次郎(CV てらそままさき)<敵>カラス(CV 園崎未恵) メカ成分主要兵器 ・メカに準じた能力の変身ヒーロー主体作品。<メカ成分1>アローン:正体不明の巨大敵性体<メカ成分2>ビビッドシステム:着衣式の次世代武装運用システム。 ◆ふしぎの海のナディア(ふしぎのうみのナディア) 媒体 TV・アニメ 時期 1990 4/13- 作品の長さ 39話 / 計15.6時間 キャスト <主>ナディア・ラ・アルウォール(CV 鷹森淑乃)<主>ジャン・ロック・ラルティーグ(CV 日高のり子)<仲>マリー・エン・カールスバーグ(CV 水谷優子)<他>グランディス・グランバァ(CV 滝沢久美子)<他>サンソン&ハンソン(CV 堀内賢雄&桜井敏治)<仲>ネモ / エルシス・ラ・アルウォール(CV 大塚明夫)<仲>メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ(CV 井上喜久子)<敵>ガーゴイル / ネメシス・ラ・アルゴール(CV 清川元夢) メカ成分主要兵器 [ - ](潜水艦)ノーチラス号(主人公達の母艦)[ - ](宇宙戦艦)N-ノーチラス号(主人公達の母艦)[ - ](万能戦車)グラタン(グランディス一味の母艦) ◆新世紀GPXサイバーフォーミュラ【サイバーフォーミュラシリーズ】(フューチャーグランプリ サイバーフォーミュラ) 媒体 TV・アニメ 時期 1991 3/15- 作品の長さ 37話 / 計14.8時間 キャスト <主>風見ハヤト(CV 金丸淳一)<パ>菅生[すごう]あすか(CV 三石琴乃)<仲>車田鉄一郎(CV 飯塚昭三)<仲>城之内みき(CV 安達忍)<ラ>菅生修 / ナイト・シューマッハ(CV 速水奨)<ラ>新条直輝(CV 緑川光)<ラ>加賀城太郎 / ブリード加賀(CV 関俊彦)<ラ>カール・リヒター・フォン・ランドル(CV 松岡洋子) メカ成分主要兵器 [サイバーフォーミュラ](レーシングカー)アスラーダGSX(主人公搭乗車)スーパーアスラーダ01(主人公搭乗車) 関連作品(1) ◆新世紀GPXサイバーフォーミュラ11【サイバーフォーミュラシリーズ】( - ダブルワン)【主要追加キャスト】<仲>クレア・フォートラン(CV 冬馬由美) 媒体 OVA 時期 1992 11/XX- 作品の長さ 6話 / 計2.7時間 関連作品(2) ◆新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO【サイバーフォーミュラシリーズ】( - ゼロ)【主要追加キャスト】<他>アンリ・クレイトー(CV 結城比呂) 媒体 OVA 時期 1994 4/XX- 作品の長さ 8話 / 計3.6時間 関連作品(3) ◆新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA【サイバーフォーミュラシリーズ】( - サガ)【主要追加キャスト】<ラ>名雲京志郎(CV 池田秀一)<ラ>フィル・フリッツ(CV 私市淳) 媒体 OVA 時期 1996 8/XX- 作品の長さ 8話 / 計3.6時間 関連作品(4) ◆新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN【サイバーフォーミュラシリーズ】( - シン)【主要追加キャスト】<他>彩・スタンフォード(CV 久川綾)<仲>天城大介(CV 一条和矢) 媒体 OVA 時期 1998 12/XX- 作品の長さ 5話 / 計2.3時間 ◆Project BLUE 地球SOS(プロジェクトブルー ちきゅうエスオーエス) 媒体 TV・アニメ 時期 2006 7/2- 作品の長さ 12話 / 計4.8時間 キャスト <主>ペニー・カーター(CV 斎賀みつき)<主>ビリー・キムラ(CV 渡辺明乃)<パ>マーガレット(CV 日笠山亜美)<パ>ロッタ・ブレスト(CV 広橋涼)<仲>アルバード・ブレスト博士(CV 小川真司)<仲>ジェームズ(CV うえだゆうじ)<仲>エメリー(CV 大原さやか)<他>トーマス・スチムソン教授(CV 品川徹) 主要メカ主要兵器 [ - ](戦闘機)スカイナイト、ユニバースナイト(主人公達搭乗機)[ - ](飛行戦艦)インビンシブル号(主人公達の母艦)[バグア遊星人](異星生命体)[ヘルメットワーム](敵宇宙船) <◆参考作品(特撮/ハ~ホ)>
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死活問題 ◆Nr7qwL8XuU 一つの人影がF-6地区からE-6地区の南東の端に踏み入った。2mほどしかないその影の移動速度はすさまじく彼か人ではないこと物語っている。 彼の名は相羽シンヤ。壮絶な戦闘の末辛くも勝利を収めた彼はテックセットを解くことなく移動していた 目指すは南西方向に見える市街地。人が集まりそうなそこならば、 ただの人間にあそこまで追い詰められ苛立つ神経を癒してくれる相手がいるだろうとふんだのである しかし、このゲームの参加者が彼を癒せる手段はただ一つ―― 彼を癒すことはすなわち彼に屠り殺されること意味していた―― 哀れな贄を求め渇望する心は強く衝動に身を任せ彼は全力で市街地を目指していた 同時刻、相羽シンヤと目的地を同じとする二人組みがいた。ロジャー・スミスとリリーナ・ピースクラフトである とはいえ二人の現在地はE-7地区であり、相羽シンヤとの間にはそうとうの距離があるため互いは気づいていない。 移動開始時刻が一時間ほどはやかったのも彼らに幸いしていた 「リリーナ嬢、何度も言うようだが・・・」 いっこうに返事を返してこない依頼者に対して話しかける 「仕様書を見るかぎり凰牙の補給は君のヴァルハラでも可能なようだ。一度、デンドーデンチのストックを確認させていただけないか?」 「・・・・・・・・・」 通信機の先の彼女は以前沈黙を守ったままである 返答すら返ってこないのでは交渉にすらならない。ため息が漏れる ああは言ったが実のところ凰牙の補給はヴァルハラでしか不可能なようだ。そしてこの機体は燃料効率がすこぶる悪い この遅々とした移動もリリーナ嬢にばれないように凰牙の移動速度をいろいろ試してみて最も燃料効率のいい速度を選んだ結果である 補給のめどが立たない以上、節約するほかなかった ふてくされてしまったこの依頼者相手にどうしたものかと彼は頭を悩ませつつ西進していた 「・・・確認させていただけないか?」 何度目かの通信が入る。それに彼女は無視を決め込んでいた うかつに通信に応じれば彼の弁論に打ち負けてしまう危険がある。沈黙が一番だった 彼女が沈黙を守る理由、それには多少の理由がある。彼女とてただ不機嫌なだけで無視を決め込んでいるわけではない 確かに先の戦闘で自分の理想に同乗してくれたかと思えばあっさりと裏切った彼にたいして胸中渦巻くものはあった しかし、それにいつまでも腹を立てているほど自分は子供ではない 彼女の狙いは凰牙の燃料切れにある そう燃料さえ切れてしまえばもう勝手に攻撃をおこなわれることもない もう一人乗せるスペースくらい十分にある。移動はヴァルハラでおこなえば十分なのだ 無論、操縦などはさせる気はない 自身の考えを確認し彼女は思う そう、自分は決して腹を立てているわけではないのだと・・・ 彼女の腹の底は意外に黒いのかもしれない そして、二機は目的の場所にたどり着く市街地はもう目の前だった その頃、相羽シンヤも市街地を確認していた。同時にそこに入っていく二機の姿も見えた。目的地まであと少し、しかも獲物つきとはがぜん殺る気が沸き起こる しかし、殺る気とは裏腹に不意に彼の視界は歪む。ここまでやってきたその勢いのまま姿勢は崩れ倒れこむ。 ロワ開始からわずか3時間と少し、彼は死活問題に直面した 倒れこんだテッカマンエビルは自らに起こった状況を悟る (しまった・・・。うっかりしていた) 彼は悔やむ (二度のテックセットとボルテッカのツケか・・・クソッ!気をつけていさえすればこんなことには・・・) そう気をつけていさえすればこんなことにはならないはずだった。サイコのコックピットにはこの状況に陥らないだけの量が支給されていた 今更ながらにサイコを失ったことが悔やまれる。くわえて言えばX-2のコックピットブロックを消滅させていなければ防げていた状況でもあった 彼は気づく。 テックシステムを多用すれば現在の状況に陥る。しかし、人間体のまま移動するには一つ当たり50キロ四方のブロックが64もあるこの会場は広すぎる なによりテッカマンではあれは大量に持ち運べない。テックシステムだけで乗り切れるほどこのロワは甘くはなかった 彼は悟る 自分にとっても機動兵器は重要であることを――― 何より他の参加者からあれを早急に奪う必要があることを――― いつとまるとも知れず彼の腹の虫は盛大に鳴いていた・・・ 【ロジャー・スミス 搭乗機体: 騎士GEAR凰牙 (GEAR戦士電童) 現在位置:D-7市街地 パイロット状態:健康 機体状態:良好。ENを数%消費 第一行動方針:リリーナと共に西の市街地へ向かう 第二行動方針:リリーナを守りながら、参加者に彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:補給の交渉を成功させる 第四行動方針:燃料の節約 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイションに値しない相手には武力行使も厭わないが、相手を殺す事はしない) 】 備考:凰牙は通常の補給ポイントによる補給は不可能。 セルブースターのハイパーデンドーデンチでしかENの補給は出来ません。 【リリーナ・ドーリアン 搭乗機体:セルブースターヴァルハラ (GEAR戦士電童) 現在位置:D-7市街地 パイロット状態:健康。ロジャーに対して少し(かなり?)ご立腹 機体状態:良好 第一行動方針:参加者達に完全平和主義を説く 最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める】 備考:セルブースターはハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)を搭載。 ちなみに二人乗り。】 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、無茶苦茶空腹 機体状況:良好 現在位置:D-7市街地周辺 第一行動方針:食料の確保 第二行動方針:機体の確保 第三行動方針:他の参加者を全滅させる 最終行動方針:元の世界に帰る】 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費 【初日 15 30】 BACK NEXT 東北東に進路を取れ 投下順 淡い記憶と、現実 貫く、意地 時系列順 淡い記憶と、現実 BACK 登場キャラ NEXT The two negotiators ロジャー 護るべきもの The two negotiators リリーナ 護るべきもの 髑髏と悪魔が踊るとき シンヤ パンがなければお菓子をお食べ
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カフェタイム―あんたらつくづく…― ◆dHWlzxs/ng 「ふぅ───」 妙にエロいライダースーツを着ている、カテジナ・ルースは、支給食糧の携帯飲料── どこぞの7のつくコンビニに売られているようなものと似ているが、綴りを読むと「バルトフェルド・カフェ」と書かれたカップのコーヒー ──を飲みながら、機体操作の一切をしていなかった。 する必要もなかったのだ。 「機体が大きくて、尚且飛べると本当に便利よね」 「いやはや、全くですな」 通信機から、ギャリソンさんの声が聞こえる。 「……こんな状態でバランス取りながら操縦するのは難しいんだからな。振り落とされても文句を言うなよ」 「そのくらい、解っている」 アフロの声。今一番働いているのは彼だ。 今、彼等は───空にいた。 「ガンドロの肩に?」 「えぇ」 数十分前、襲撃された後に動きだそうとした矢先、カテジナはふと思い付いたことを話した。 「私の機体も、ギャリソンさんの機体も、あなたの機体とはサイズ差が大きすぎる。 逆に移動力は私の機体が断トツで、あなたの機体は鈍い。 そして私とあなたの機体は飛べるけれど、ギャリソンさんの機体は飛行不可能─── つまり、三人で固まって動くには足並み揃えるのは難しいのよ。 だから、飛行可能で私とギャリソンさんの機体を乗せて運べそうなあなたのガンドロの肩を貸して欲しいのよ」 「んな言ったって………」 「悪くない考えですな」 二対一、多数決の理論でコスモは押し黙った。 「空を飛ぶ連中はあまり居ないわね」 「目立ちますからな。後2時間ほど移動したら、着陸して食事と致しましょうか」 「あぁ確に。まあ、私たちで迎撃出来るから、ある程度の敵なら大丈夫よね。G・テリトリーもあるし」 「…………」 ユウキ・コスモは、通信機に入らない程度の声で呟いた。 「…………平和ボケ、してんじゃねぇよ」 【カテジナ・ルース 搭乗機体:プロトガーランド(メガゾーン23) パイロット状況:健康。マターリ中。 機体状況:MS形態 現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中 第一行動方針:マターリ索敵 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ギャリソン時田 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX) パイロット状況:健康、マターリ中。 機体状況:全弾薬の半分近くを消費 現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中 第一行動方針:マターリ索敵 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ユウキ・コスモ 搭乗機体:ジガンスクード・ドゥロ(スーパーロボット大戦OG2) パイロット状況:軽い眩暈、呆れ 機体状況:G・ワイドブラスター一発分の消費、自重以上を肩に乗せて移動中のため、ENを徐々に消費 現在位置:C-5から西(B-5)に向け、肩の機体を振り落とさないようにゆっくり移動中 第一行動方針:西へ移動 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【時刻:15 00】 ※ジガンスクード・ドゥロのエネルギーに関しては、移動によってどのくらい消費したかは次の書き手に任せます。 BACK NEXT 殺意は昏き火が如く 投下順 気になる、あの子 核ミサイルより強い武器 時系列順 美しくない BACK 登場キャラ NEXT 金髪お嬢とテロリスト カテジナ 『歌』に振り回される人達 金髪お嬢とテロリスト ギャリソン 『歌』に振り回される人達 金髪お嬢とテロリスト コスモ 『歌』に振り回される人達
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驕りと、憎しみと ◆7vhi1CrLM6 横倒しのブラックゲッターの上で、空を眺めていた。 穏やかなときが流れている。 ユーゼスと共にG-1エリアに到着した後の約二時間、特にすることはなかった。 補給ポイントから離れ、見渡す限りの草海原に機体を横たえているだけである。 炉心の火を落とした二機は熱源探査にはかからない。遠目に見たとて、損傷の激しい二機の姿は残骸としか映らないだろう。 仮に興味を持ったとしても、見晴らしのいいここでは接近するまでの間に十分火は灯せる。 だが、この二時間そんな者は現れなかった。ナデシコは愚か鳥の一羽すら空には浮かんでいない。 視線をゼストと呼ばれるユーゼスの乗機へと落す。 湖で拾った白い神像とでも言うような巨神。その抉れた胸にゼストは、背中を合わせて固着していた。 そして、目を凝らすまでもなく分かる。四肢のないゼストが巨神を侵食している。 毎秒1mm程度の速度で、白いその装甲を深紫に染め上げ、同化し、巨神の胸にズブズブと沈み込む。 侵食の速度は全長50mを下らない二機にしてみれば、微々たる速度。だが、それでも既に傷口から7mを超えて侵食されている。 恐らく半日後には二つは一つとなり、全身余すことなくゼストと化すのであろう。あくまでこのままの侵食速度であればの話だが。 得体の知れなさは気味が悪いが、それも今はどうでもいい。 揺れた草花が音を立て、風が頬を薙いでいった。雲の流れは速い。形を変え、移ろい、消えていく。 無粋な思考を頭から追い払えば、本当に穏やかな時間だ。それはいい。 こうしている間にも他者は互いに潰し合い、その数を減らしている。自分だけが休息のときを得ていると思えば、それも悪くない。 だが、今この瞬間もあの男はどこかで生きている。それが許せない。 そして、自分の知りえないところで死んでいく。それはもっと許せない。 焦り。焦燥。自分は何をしているのだと思えてくる。 ユリカを殺した奴をほったらかしにして、何を一人呑気に平穏なときを甘受している。 動け。探せ。見つけ出して殺せ。生きたまま心臓を抉り出し、火にかけろ。 突き上げてきた暗い情念が、囁きかける。それが出来ればなんと楽しいことだろう。 しかし、今、それに応じるわけにはいかない。 我ながら暗い、無粋な思考だ。だが、今やこの暗い感情は切っても切り離せないものとなっている。 怨みも、辛みも、三年前のあの日から片時も離れることなく身近に寄り添っている。 腹の底が静まるのをじっと待って再び見上げた遠方の空に、西から東へと矢のように疾空する二つの機体を見つけた。 笑みが漏れる。 臓腑の底で溜まりを為す暗い粘液のその又底の底で生じた一泡が、濁音を立てた気がした。その異常さに気づかぬまま。 「ユーゼス、敵だ」 ◆ ――存外、簡単に割れたものだったな。 メディウス・ロクスの身の内で一人AI1と向かい合う仮面の男は、そんな感想を抱いた。 右手に掲げ、僅かな明りに照らして眺めているのは、解析の為に預かった謎の薬。 その正体は、拍子抜けするほどあっけなく割れた。既に同種のデータを、AI1が得ていたが為である。 DG細胞――その呼称をユーゼスは知らない。だが、その性質は知っている。 他者に侵食し、取り込み、自己を再生させ、自己を増殖し、そして進化する非常に高度なナノマシン。 希釈されて能力を半減させられていたとは言え、そんなモノがこの薬には仕込まれていた。 ――薬だと? これは劇薬だ。 性質を鑑みるに一時的な感覚器官の強化は、体内に散らばったこのナノマシンが、五感の補助を行なった結果だろう。 だが、効果は一時的なもの。 希釈された状態では、異物の混入に反応した体内の免疫システムに抗いきれない。 免疫システムに抗いながら活動できる限界時間が、恐らく30分の効用時間。その後は駆逐されてしまう。 だから自己保全の為、その時間を過ぎたナノマシンは次のプロセスに移る。成り代わりである。 元々の細胞を壊し、代わりに収まり、何食わぬ顔で機能を代行。そうやって、体の節々に潜伏する。 一度潜伏が完了してしまえば、宿主に異変を知る術はない。見かけの変化は何もないのだ。 この過程が、一時間の副作用。 あの苦しみは、感覚器官そのものを食いつぶされる苦しみ。 いや、感覚器官と言わず身体そのものが、あのナノマシンに取って代わられようとしているのかもしれない。 「ならば――」 ならばこの仮定が正しいとして、体全てがナノマシンに取って代わられたら、どうなる?いや、体全てと言わず体内の免疫システムを凌駕する程の潜伏が完了すれば、最早潜伏の必要はない。 必要がなくなれば、この貪欲な性質上牙を剥くは必定。 残ったテンカワ・アキトの細胞は一つ残らず食い潰され、人を模ったナノマシンの塊が生まれる。 「フ、フフ……フハハハハハハハハハハハハッ!」 込み上げてくる愉悦に耐え切れず、哄笑が響き渡る。 悪くない。素晴らしい。理想的だ。 あの男は苗床だ。生きたナノマシンの苗床。それを手に入れた。 丁度サンプルが少ないと嘆いたところ。実に都合良く出来ている。 ――では私は何をすればいい? 単純だ。ナノマシンの活動を促進してやればいい。 都合の良いことに薬の処方を既に約している。それに細工を施す。 あの首輪から採取した希釈されていないナノマシン。それを仕込む。作業も単純。 惜しむらくはサンプルの稀少さだが、後から元が取れると思えば錠剤一つ分ぐらいは目を瞑れる。 「ユーゼス、敵だ」 かけられた声にそこで一時思考を切り上げた。 モニターを光学カメラに切り替え、周囲を探る。なるほど。遠方の空に二つの機影が見えた。 だが、かなり遠い。接触コースでもない。 目視圏の端を掠めているだけであり、何もない空で動いているからこそ目視出来るレベルのものだ。 恐らく気づかれてはいないだろう。 映像を手ごろな大きさに拡大する。 濃紺の騎士のような大型機と白銀のシンプルな機体。共に隻腕で、戦闘痕がそこここに見て取れた。 「ふむ。何故敵と判断した?」 「大型機のほうと一度交戦した経験がある。左腕はそのときに潰したが、損傷が増えているようだな。 その湖から拾い上げた機体を両断したのも、あの機体だ。白いほうは初めて見る」 「そうか……他には、いやそれよりも『見える』のか?」 「……辛うじてだが、それぐらいは今の俺でも見える」 ――気づいてないのか? この距離で見えるということは、バイザーの補正込みとはいえ最低限人並みの視力を確保しているということ。 バイザー抜きにすれば、やはり人並み以下の視力ではあるのだろう。 だがそれすらも危ういほど、この男の視力は低下していたはずだ。それが僅かとは言え回復傾向にあるということは―― ――存外に潜伏期間は短いのかもしれんな。 それは追い風だ。 この男からナノマシンを採取できる時期が、そう遠くないことを示している。 「追うか?」 「そうだな……だがそれは私がやろう。君にはあれの飛んできた方角を調べて貰いたい」 あの弾丸のような速度と軌道を考慮すれば、明確な目的地が存在するのか。あるいは何かから逃げているのか。 目的地が存在するとすれば、それは周辺空域を回遊しているナデシコである可能性は高い。 ともかく、前も後ろも気になる。可能ならば全てを把握しておきたい。 どうせこの男には、自分が必要なのだ。むざむざ逃すこともない。合流の手順を簡潔に伝える。 「……ゲッター炉心は?」 「簡易ドック程度の設備が欲しい。ナデシコを捉えるまで待て」 「薬は?」 「今、処方している。注意点が一つ。効果の継続時間を少なからず伸ばしておいたが、それに比例して副作用の時間も伸びる見込みだ。 実際にどれほど持続するかは、服用してみないことには何とも言えん」 「十分だ」 これでいい。 元の薬を使い切るまで、こちらの手渡した薬を使わないことは十分に考えられる。その程度の警戒心はあって当然。 だからより強力であることを強調した。服用せざる得ない敵、状況というのは必ずどこかに存在する。 それに嘘は言ってない。一度に摂取する量が増える以上、免疫システムに抗える時間が増えるのは必然。 同時に量の増加は、潜伏に要する時間の増加も招く。 読みきれないのは神経にかける負担。量の増加がどれだけ五感を鋭敏にするのか、それは分からない。 「逸るな。ゼストもゲッターも万全ではない。無理はしないことだ。 ナデシコもエリア内のどこを回遊しているか分からないことだし、無用な警戒を抱かせることはない」 やや間があって反抗的な視線と共に「了解」との返事。どうせ数を減らすことばかり考えていたのであろう。 「一つ聞きたい。この薬を二錠同時に、あるいは効果が切れる直前にもう一錠服用すれば、どうなる?」 「それは現時点では何とも言えない。効果時間の継続が狙えないとも限らないが、お勧めは出来ないな」 「……分かった。貴様が処方したという薬をよこせ」 「少し待て」 懐からナノマシンのサンプルを取り出す。 この大元となったあの変質した首輪は、バーナード・ワイズマンと共に失われた。 今も手元に残っている量は、そう多くない。 必要な分量だけを削りだし、すり潰し、粉に。さらに何工程か手を加え、錠剤を作り上げる。 ナノマシンの濃度は、アキトの有する薬の数倍。だが外見上の違いは、何もない。 その出来栄えに満足気に笑う。 処方を終え、視線を再度遠ざかる二機に向けた。 十二分の距離を置けたことを確認。この距離ならばそうそう気づかれることもないだろう。 作り上げたばかりの薬をアキトに、預かっている薬は手元に、そして彼らは二手に分かれる。 次の駒。新たなる未知の技術。それらに対する期待を胸に、仮面の男は再び動き始めた。 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭(回復傾向)、疲労状態 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:G-1 第一行動方針:現在地(G-1)より西を探索 第二行動方針:ナデシコの捜索とユーゼスとの合流 第三行動方針:ガウルンの首を取る 第四行動方針:キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を3錠所持 (内1錠はユーゼス処方) 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(+ラーゼフォン) パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷(小)、両腕・両脚部欠落、EN残量80%、自己再生中 機体状態2:右腰から首の付け根にかけて欠落 断面にメディウス・ロクスのコクピットが接続 胴体ほぼ全面の装甲損傷 EN残量40% 現在位置:G-1 第一行動方針:東進する二機(統夜・テニア)の追跡 第二行動方針:ナデシコの捜索、アキトと合流、AI1のデータ解析を基に首輪を解除 第三行動方針:他参加者の機体からエネルギーを回収する 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第六行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:謎の薬(希釈されたDG細胞)を一錠所持 備考5:AI1を通してラーゼフォンを操縦しているため、光の剣・弓・盾・音障壁などあらゆる武装が使用不可能 備考6:ユーゼスに奏者の資格はないため真理の目は開かず、ボイスの使用は不可 備考7:ラーゼフォンのパーツ部分は自己修復不可】 【二日目 14 15】 BACK NEXT Stand by Me 投下順 かくして漢は叫び、咆哮す 心の天秤 時系列順 Stand by Me BACK 登場キャラ NEXT 仮面の奥で静かに嗤う ユーゼス 王の下に駒は集まる 仮面の奥で静かに嗤う アキト かくして漢は叫び、咆哮す
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竜が如く ◆VvWRRU0SzU 紫雲統夜は舞い踊る。死を撒き散らし破壊をもたらす闘争の舞踏を。 お前一人でやってみろ。戦場の師にしていつか命を取り合うと約束した男はそう言った。 目前には大軍――そう、大軍としか言えないほどの化け物達。どうやらインベーダーと言うらしい。 ヴァイサーガの武装では分が悪いと言ってみても、師は甘えるなと突き放す。 条件が悪いからやらないってのはただの臆病者だ。本当に強い奴ってのは、どんな状況からでも結果を出すもんだ――そう言われては言い返せない。 ダイゼンガーがその巨大な刀を一振り、大地に轟と深い溝が刻まれた。 『この線を越えさせるな』。師が出した条件はそれだけ。ただし、師も、護るべき少女の手助けもない。 いざとなれば助けてやるとは言われたものの、信用できたものではない。 しかしこれしきを乗り越えられないようでは、来たるJアークとの戦いに置いてテニアを護りきることなどできるはずもない。 そう己に言い聞かせ、統夜はヴァイサーガを黒い異形達へと突っ込ませた。 ユーゼスから取り戻した五大剣を当たるを幸い振り回す。 剣の結界は触れたもの全てを切り裂き、押し潰し、吹き飛ばしていく。 一瞬たりとも立ち止まらずに、さながら疾風の如く立ち位置を変えインベーダーを刻み続ける。 傍から見れば黒の濁流の中に一瞬ぽっかりと空白が生まれ、一瞬だけ蒼い影を見つけるもすぐに見失うことだろう。 そしてまた別の場所で空白地帯が生まれ、また別の場所で……そうして黒は刻一刻と駆逐され、蒼い影がその身を晒す時間も比例して増えていく。 しかし足りない、これでは足りない――何よりも、そう。先程まざまざと見せつけられたダイゼンガーの暴虐に、これでは全く届かない。 所詮は剣の届く範囲しか斬ることのできないヴァイサーガと違い、ダイゼンガーは豊富な武装と圧倒的なパワーを有している。 いわゆるロケットパンチというやつか、肘から先を発射してその強大なパワーと質量で薙ぎ倒すダイナミック・ナックル。 大量のインベーダーを一瞬にして焼き払う高熱放射砲、ゼネラル・ブラスター。 取り回しに優れた近接武装ガーディアン・ソード。これは現在も予備と称して統夜に貸し付けられているが。 そしてあらゆる形状、大きさへと変化する斬艦刀。統夜からすればこれが一番恐ろしい。 その巨大質量による一撃は戦艦ですら真っ二つだと思わせる威力。隙も大きいが、そこを液体金属による形状変化で千変万化に補っている。 刃の嵐をくぐり抜け、なんとか近づいたインベーダーを一瞬にして大刀からナイフへと姿を変えて切り刻んだのは記憶にも新しい。 遠距離では熱線砲。中距離ではロケットパンチと斬艦刀。近距離にはこれまた斬艦刀が活躍する。 どこから見ても隙がなく、またそれを操る操縦者も統夜の遥か上を行く男。 いつか戦うかもしれない、手を組んだことを今さらながらに後悔するが、逃げることもできはしない。 今の統夜には護るべき者がいる。最後まで共に生き残ると、誰かを殺してでも共にいると誓った少女……テニアが。 強くならなければいけない。テニアを護ることができるほどに、ガウルンさえも超える力を手に入れなければ。 インベーダーを相手取りながらも、統夜の脳裏に映るのは巨大な鎧武者、ダイゼンガー。 もし戦うことになればどうやって制するのか。どのような戦術なら有効なのか。 統夜はありったけの戦闘経験を動員して、インベーダー/仮想ダイゼンガーへと挑みかかる。 今までに戦った、見た、体験したあらゆる戦いから使えそうな情報を抽出し、分析し、練り上げる。 現実の戦いと、仮想の戦いと。二つの戦いを同時にこなす統夜の動きは、本人も気付かない極めて小さなレベルで変革を始めていた。 やがて脳裏に去来したのは市街地で交戦した、変形する白い特機。 目にも止まらぬ動き――超音速の世界。 □ ユーゼス達と別れて街を南下し、休憩を挟み何時間か過ぎた頃。 禁止エリアのすぐ傍で、アタシ達はインベーダーと戦いになった。 たっぷり休んだし、こっちは三機だ。恐れることもなく蹴散らしてやろうと思ったら、ガウルンは統夜に一人で戦えって言った。 当然アタシ達は抗議したけど、統夜がガウルンの挑発に乗って一人で突っ込んでいってしまった。 すぐさまアタシも後を追おうとしたけど、ガウルンが「統夜が強くなる最後のチャンスだ」と言ったためここでこうして見ているという訳。 でも、アタシやガウルンが手を出すまでもなく、インベーダーは一匹たりとも線を越えて向かってくることはなかった。 アタシにはそれが、統夜の働きによるものかあるいはこの物騒極まりない獲物を肩に担いで観戦している男を恐れているのか、判断はつかなかったけど。 とにもかくにも、おかげでベルゲルミルは再生に全ての力を回していられる。 いざとなればすぐに動く準備はしているものの、この様子ではその必要はなさそうだ。 警戒すべきはインベーダーではなくこの男、ガウルン。アタシの理性や野性、本能といった全てがガウルンを危険だと叫んでいる。 モニター越しに睨みつけていた視線に気付いた訳でもないだろうけど、当のガウルンから通信。 「いやいや……やるもんじゃねえか、統夜は。俺ぁ十匹くらいは取り逃がすかと思ってたんだが、中々どうして。愛は偉大ってことかねぇ」 「……何が言いたいのよ」 「嬢ちゃんがいるからこそ、統夜は強くなれるってことさ。青春ってな良いもんだぜ、俺にゃ眩し過ぎるくらいにな」 吐き出す言葉全てに裏があるんじゃないかと思える。 ガウルンはアタシのしたことを知ってる。それを統夜に言うことなく、ヌケヌケと協力を持ちかけてきた。 どうせこう言いたいんでしょ? 『統夜にバラされたくなければ黙って俺と手を組んでな』って。 機会があればと思わざるを得ない。ガウルンを排除する機会――。 しかし、主催者から譲り受けたって機体、ダイゼンガー。これは反則でしょ? 傷一つないまっさらの新品ってだけでもズルいのに、その性能はアタシのベルゲルミルや統夜のヴァイサーガがオモチャに見えるほど。 こんな奴にあげるくらいならアタシに――いや、アタシじゃ上手く使えないか。ならせめて統夜に――くれればいいのにさ。 「ところで、テニア。今の内に話しときたい事があるんだがよ」 「何よ。統夜が戻ってきてからでいいでしょ?」 「いや、あいつは駄目だ。なんせ、あいつがアテにしてるユーゼスについてだからな」 ガウルンの声の調子が変わる。真面目な話ってことだろうけど。 「率直に言ってだ。俺はあいつが信用できない。テニア、お前さんはどうだ?」 「信用できないって、首輪の解除がってこと? 確かにあいつがアタシ達の首輪を素直に外すとは思えないけど」 「いや、それ以前の問題だ。あいつが言ってたろう、Jアークの技術を手に入れるって。じゃあ手に入れた後、あいつの機体はさらに手がつけられなくなる訳だ。 それこそ俺達が束になっても叶わないくらいにな」 「……だから何よ。主催者と戦うんだったらむしろ心強いじゃない」 「そこだよ。主催者と戦うにはそりゃ強い機体が、あるいは大勢の手駒がいる。 あいつは今そのどっちも持ってるわけだが、もし手駒も要らなくなるくらい機体が強化されたらどうする? 首輪の解除なんて餌をくれてやる必要もない。邪魔なら踏み潰せばいいだけだからな。その時点で協力関係なんて破綻すると思わねえか?」 「じゃあ、邪魔しなければいいじゃない。ユーゼスに協力すれば、少なくともこの殺し合いは終わるでしょう?」 「そして、あいつが新たな絶対者になる……ぜ?」 「ユーゼスが、アタシ達を切り捨てるって言うの?」 「俺ならそうするね。考えても見ろ、お前がユーゼスの立場だったとして俺やJアークを見逃すか? 自分に歯向かうかもしれない、痛手を与えるかもしれない奴がいるってだけで間引く理由にゃ十分だ。そして、それは何も主催者を倒した後には限らない」 「どういう意味よ……?」 「Jアークを沈めた時点で俺らは用済みってことさ。十中八九、奴は俺達も喰おうとするぜ? 目を引く技術ではなくても、動力や装甲なんてな機体を強化する材料になる。 特に嬢ちゃん、お前の機体はアウトだ。そいつぁ自力で再生する機能を持ってるだろ? あいつが見逃す訳はない」 むう、と考えさせられる。たしかに何でも取り込むユーゼスの機体からすれば、ベルゲルミルの持つマシンセルとて狙われてもおかしくはない。 「そしてお前さんが喰われちまえば統夜が黙っているはずがない。が、統夜一人であいつに勝てるはずもないだろ? 結局お前も統夜も、そして俺もあいつの胃袋の中で仲良く消化されるのを待つだけってこった。ククッ、とんだ同盟もあったもんだな、おい?」 そう言うくせにガウルンはとても楽しそうだ。どう見てもその結果を受け入れているとは思えない。つまり―― 「喰われる前にユーゼスをやる……そう言いたいの?」 「Exactly(その通りでございます)。お前さんだって、あいつの言うなりに動くつもりはなかったんだろ? ここは俺に賭けてみないか? まあ、損はさせないと思うぜ」 「じゃあ……じゃあ、首輪はどうするのよ。これがなきゃ結局同じことじゃない」 「俺と考えが違うのはそこだな。いいか、首輪なんざ『外す必要はねえ』。俺はそう思ってるんだよ」 「は、外す必要がないって……どういうことよ! それじゃアタシと統夜が生き残ることなんてできないじゃない!」 「二人で生き残る、ってのを違う視点から解釈すればいいのさ。いいか、お前さん達は要するに二人で元の世界に帰れりゃいいんだろ? 何も主催者を倒す必要なんてない。優勝して、残った片方を生き返らせりゃいいだけだ。シンプルにして確実な方法だろ?」 「生き返らせるって……そんなこと信用できる訳ないじゃない。いくらあいつらが化け物だからって……」 「いや、証拠ならあるさ。お前さんの目の前にな」 目の前……アタシは目を丸くした。それは、つまり。 「そう、俺も実はここに来るまでに死んだんだよ。砲弾に腹吹っ飛ばされてな。朦朧とする意識の中、最後はここに一発喰らった。ありゃ間違いなく死んだだろうぜ」 トントン、とガウルンは額を指で叩く。 そこにはたしかに薄っすらと……銃創のようなものが見えなくもない。 死んだガウルンを主催者が蘇生させた。なるほどこれは嘘ではないのかもしれない。 「優勝しさえすれば人を生き返らせることだってできる。これは信用してもいいと思うぜ?」 「……そのためには、アンタだって排除しなきゃいけない。それはわかってるの?」 「もちろんさ。俺だってそりゃ生きて帰りたいんでな。いつかお前さん達と俺と、戦うことになるのは間違いない。 が、それはユーゼスを排除してからだ。あんな奴がいたんじゃ優勝なんて夢のまた夢だからな」 「でも、Jアークはどうするのよ? 見逃すって言うの?」 「まさか。まずはあいつらをユーゼスにぶつけるのさ。で、適度に消耗して警戒が逸れたユーゼスを背中からバッサリ……な。 さすがにあいつだって敵と戦ってる時はこっちまで気を配ることはできねえだろ。逆に言えばその瞬間しか、あの機体をやるチャンスはねえってこった」 「……具体的には、どうするの?」 「Jアークの奴らは手練れだ。ユーゼスも相当の手傷を負うだろう。そこまで俺達が落ちてないことがまず大前提。 次にJアークの戦力が低下していることも重要。ユーゼスを殺った後あいつらにやられちゃ世話ねえしな。 最後に、アキト……ユーゼスの手駒だな。こいつもおそらくだが、俺達と同じことを考えてるはずだ。俺達が動けば多分乗ってくるだろ」 「アキト……アンタ、あいつに狙われてたんじゃなかったの?」 「さすがにあいつだって状況を読めないほど馬鹿じゃない。俺を殺したって、ユーゼスがいればその時点で優勝なんて不可能だ。 ユーゼスを取り除く絶好の機会、逃す奴じゃねえよ」 「つまり、半壊したJアークとアキト、そしてアタシ達でユーゼスを袋叩きにするってことね」 「そういうこった。で、首尾よくユーゼスを落とせば次にアキトとJアーク。アキトは俺に任せてくれりゃいい。お前らは弱ったJアークに止めを刺す」 「そして、最後にアンタとアタシ達で決着をつける……」 「そう、それで終いだ。俺が生き残るかお前らが生き残るか……それはその時の運次第だ。悪くねえ話だろ?」 現状、アタシと統夜以外は全て敵と言っていい。これで生き残るのは正直厳しい。 しかしガウルンのプランが完遂すれば、残るのはアタシと統夜、そしてガウルン。 一筋縄でいく男ではないけど、それでもアタシと統夜の二人掛かりなら勝機はある。 よし…… 「乗ったわ、その話」 「オーケー。わかってくれると思ってたよ、嬢ちゃん」 「あまり馴れ馴れしくしないでよ。最後は戦うんだから」 「つれないねぇ。まあいい、よろしく頼むぜ。統夜にはお前さんから話しといてくれ。俺が言うとなんだ、変に勘ぐられるだろ? と、すっかり一人で戦っている統夜のことを忘れていた。 視線を戻し――アタシは愕然とした。 「インベーダー……もうほとんどいないじゃない」 「ははぁ、こいつぁ驚いたな。お喋りしてる間に全部やっちまうとは」 ガウルンもさすがに驚いたようだった。 ダイゼンガーみたいな武装があるならまだしも、ヴァイサーガは基本的に剣一本で戦う機体だ。こんなに早く多数の敵を殲滅できるとは思えなかった。 視界に一瞬、蒼い影が揺らめく。 巨大な異形が、影目掛けて突き進む。あわや激突すると思わせたそれは、しかし影を『すり抜けて』地面へと激突する。 インベーダーの頭に鋭い小刀が突き刺さり、弾ける。 投げたのはさっきと寸分違わぬ位置にいるヴァイサーガだ。 「あれ、今……? すり抜けた、よね?」 「分身、ってやつかね。ぎりぎりまで敵を引き付けておいて、紙一重でかわしたのさ」 ヴァイサーガは、よく見れば足を絶えず動かしている。 全体としてはそこにいる、でもいざぶつかろうとしても風に舞う木の葉のようにふわりと逃げる。 ヴァイサーガは最高速はそれほどでもないが、瞬発力には秀でている。 静止状態から最高速への、一瞬の加速。 大仰な推進装置を持たないヴァイサーガがそれを可能とするには、足捌きこそが肝要だとガウルンが言う。 走り回るのではなく、最小限の動きで攻撃をかわし、隙を見せた敵に反撃を加えていく。 「どうやら、ヴァイサーガを完全にモノにしたみてえだな。ククッ……いいねぇ統夜。それでこそ……そうでなきゃ面白くねえ……」 ぼそりと呟かれた声に込められた、滴るような悪意。全身が総毛立つような、おぞましい気配。 アタシはガウルンが今にも統夜に襲いかかるんじゃないかと警戒したけど、幸いガウルンは自制したようだった。 わかっちゃいたけどコイツはヤバい。 統夜に早く戻ってきて欲しいと、必死で祈る。 その統夜に、残ったインベーダーが合体して(というか融合して)大蛇のようになって突進する。 ヴァイサーガの姿が一瞬ブレて――大蛇の周りを、蒼い騎士が剣を掲げて包囲する。 遠目に見てもどれが本物かわからない。対峙していたインベーダーは尚更だっただろうと思う。 やがて分身たちが消え――否、一つになり。 インベーダーがそれを察知した頃には、光のように駆け抜けたヴァイサーガの剣が大蛇を一刀両断に切り裂いていった。 □ 全てが己の掌の上で回っている。 ガウルンはまさに今そんな気持ちだった。 インベーダーを殲滅した後。 完全に陽が落ち、静寂と共に暗い夜が訪れる。 さすがに疲労した様子の統夜を休ませつつ、テニアが先程の件を話している。 見張りを買って出たガウルンはその様子をさも愉快そうに眺めていた。 統夜の成長は予想以上だ。 欲を言えばJアークの連中と戦わせることでもう少し経験を積ませたいが、この分では先にガウルンの方が参ってしまいそうだ。 あと少しすれば会談の場に出発しなければならない。が、今しばらくは休憩の時間がある。 「もう少し……もう少しの我慢だな。ああ、でも……俺は我慢弱いからなぁ。待てるかどうか……」 テニアもこれでユーゼスを殺す方に大分傾いただろう。 主催者が人を生き返らせることができるかどうかなんて知らないし、興味もない。あれで騙される方がマヌケというものだ。 とにかくこれで下地はできた。 Jアークと、ユーゼスと、アキトと、統夜・テニアと、そして自分。 誰もが誰かの背中を狙う、考えるだに楽しげなブラッド・パーティ。 頭の中で『その時』のことを想像するとそれだけで身体が震える。しばらくはこれだけで退屈しない――そう思っていると、通信を求めるランプが点灯する。 このコードはオープン回線ではない。ガウルン個人に宛てた内容、ということだ。 統夜達との通信を切り、その秘匿回線を開く。 そのモニターに映ったのは、つい数時間前に仕事を依頼してきた主催者の少女だ。 あまり進捗しない仕事に痺れを切らしたのだろうか。宥めすかす言葉をいくつか脳裏に浮かべ、ガウルンは笑みを浮かべ応対する。 「よう、お嬢ちゃん。どうした恐い顔して。ああ、仕事ならサボってるんじゃねえよ。今は機を窺ってるところだぜ」 「あなたにお伝えしなきゃいけないことがありますの」 「ん? なんだって?」 「先程、あなたに依頼した仕事の達成を確認しましたの。ただし、あなた以外の人物による、ですけども」 「へへぇ……誰かがあの化け物を殺ったてのかい? そりゃすげえな。一体誰だ?」 「それは、お答えできませんの。公平性を欠きますから」 そうかい、と投げやりに答えた。元より聞いたところでどうする気もなかったが。 しかしアレを撃破した者がいたとは驚きだ。おそらくユーゼスの機体ですらあれには手こずるだろうに。 「しかし……だとするならお嬢ちゃん。俺の仕事ってな、どうなるんだ?」 「要件はそれですの。あなたは本来なら数時間前に『死んでいる』はずでしたの。それをこの仕事を行うために延命させた……でもあなたは仕事を達成できなかった」 「お、おいおい。じゃあもう用済みだから死ね、だなんて言わねえだろうな?」 「そうは言いませんの。ただ……ペナルティを受けてもらいますの。でなければ、『公平』ではないでしょう?」 少女が言葉を切る。瞬間、懐に違和感。 探ってみれば少女から渡された薬だ。それが――蠢いている。 滑らかだった錠剤の表面が粟立ち、細い糸のようなものを四方に撒き散らす。糸は寄り集まり、束になり――ガウルンの掌へと突き刺さる。 「な、なんだ……こいつはッ!」 「あなたがそれを飲んでいてくれればもっと簡単でしたのに。種明かしをしますと、それはあなたも現在感染している『DG細胞』の結晶体ですの。 ただ、別の方に渡したものと違ってほとんど希釈していない……どころか、『私達』の眷族をちょっぴりブレンドしたスペシャル版。 飲めば首輪が爆発しなくなるというのは、要するにあなたを『私達』と同じモノと認識させることで共食いを避けるということでしたの」 淡々と説明する少女に反論もできない。掌に解けた薬は血管へと染み入り、凄まじい違和感とともにガウルンの身体を駆け廻っていく。 異物が体内を蹂躙する感触の後やってきたのは、激烈なまでの痛みだ。 外傷ではない……体内から発する痛み。しかもこれには覚えがある。 「あなたは元々癌に侵されていましたの。それをDG細胞が同化することで沈静化していた……これも考えてみれば出血大サービスでしたの。 ともかく、その癌細胞を今新たに生成いたしましたの。あなたにとっては慣れた痛みでしょう? あ、義足までは取り上げませんから安心してほしいですの。その機体は身体の動きに連動して操縦する物ですから、そこは配慮いたしましたの!」 指をVの形に突き立てる少女に悪態の一つも吐いてやろうとしたが、あまりの痛みに声も出ない。今まで好き勝手やってきた分反動で一気に来たということなのか。 が、時が経つにつれて痛みを幾分和らいでいく。顔中に脂汗を浮かべ、ガウルンはモニターの向こうの少女を睨みつけた。 息も絶え絶えに声を出す。 「ありがとよ……と、言えばいいってのかい? 違約金にしちゃ、随分……あこぎじゃねえかよ」 「あなたがモタモタしているからですの。とにかく、これで全ては公平――ここからはあなた達だけのステージ。もう、私からは一切の手出しは致しませんの。では、健闘をお祈りしていますの」 通信が切れた。もう用済みということなのだろう。 息を吐く。とんでもないことになった……ガウルンは己の身体の状態を冷静に観察する。 懐かしい癌の痛み。すぐに動けなくなるということはないだろうが、このダイゼンガーを操縦する上では長時間の戦闘はかなりの危険を伴うだろう。 (どうやら俺にはもう時間がねえらしい。だが、それならそれで……) やり様はある。 元々は棺桶に片足を突っ込んでいたような自分なのだ。ここまで楽しめた事、それ自体が僥倖。 あとはこのまま心穏やかに最期の時を迎える――そんな訳はない。 どこまで行っても俺は俺だと、痛みの中でなお男は笑う。 残り時間が少ないのなら、その中でできるだけ、やれるだけ楽しむ。 命が惜しい? 冗談じゃない。そんな瑣末ごとで妥協はしないからこそのプロなのだ。 方針が変わるわけではない。 ユーゼスを切る。これは確定事項。 先程までならその後そこにいる全ての者を味わうつもりだったが、そうもいかなくなった現状、目標を絞る必要がある。 紫雲統夜。 こいつしかいない――ガウルンは強くそう思う。 別に死ぬことなど怖くはないが、やり残したことがあるまま朽ちるのは我慢ならない。 カシムと、それが叶わないのならせめて統夜と。 心ゆくまで殺し合い、充足を得たい。それだけが、今のガウルンが望むただ一つの夢だ。 (アムロ、ブンドル……あいつらはもういい。Jアークの奴らもだ。シャギアって兄ちゃんは惜しいが、これもパス。ユーゼス……大物だが、これもいい。どうせ奴には蟻が砂糖に集るみてえにお相手がいることだしな) ユーゼスの目的を考えれば、Jアークの面々が抑えてくれるだろう。戦力的な面から抑えきれずとも、要するにこちらに回す手がなければいい。 (アキト……あいつぁ、もったいねえなぁ。できればあいつも喰っちまいたいところだが……まあ、欲張るのはうまくない。あいつから来るってんなら話は別だが、そうでない限りはお預けだな) 思い返してみればガウルンはここでずいぶん色んな奴に会った。 会ったが、その数に比較して彼自らが手を下した人物はそれほど多くはない。 良い機会だと、ガウルンは己の軌跡を思い起こしていく。 まず密林で交戦したガンダムに乗っていた老人だ。 中々どうして、年齢に似合わずかなりの手練れだった。年寄りの冷や水とは言うが、あの勝利は機体性能によるものと言ってもなんら不思議ではない。 開戦の狼煙としては幸先が良かったと言える。 次はあの戦艦同士の乱戦の中で戦った少年だ。 彼もまた中々の粘りを見せたが、いかんせん機体のクセが強すぎたのだろう。しかるべき機体に乗っていればもっと楽しめたのだろうと思う。 そう言えばあの機体、何故か修復されてキョウスケという男に乗り代えられていたが……ガウルンと同じく、あの主催者の少女の下へと転移したのだろうか? 彼のような正義感溢れる若者が死に、自他共に認める外道であるところの己が生き残る。神様とは全く捻くれたものだと笑う。 最後に、アキトの思い人である女。 これについてガウルンに特に思うところはなかった。彼女はあくまでアキトをこちら側に引き寄せるための餌でしかない。 そして、視線を傍らの少年少女へと巡らせる。そう、彼らこそがガウルンの人生における最後の『ご馳走』だ。 統夜の戦闘技術。愛しのカシムと比べればまだまだ不満があるが、それでも一応は及第点というところだろう。 戦場の機微という物も心得てきている。先程見せた動き。あれなら十分すぎる。 残る必要な物は精神的な『突破』だ。統夜がそれこそ自分の命以上に護ろうとする者……すなわちテニアを奪うことでそれは完成を見る。 ガウルンが、あるいは誰でもいいがテニアを殺したとすれば、統夜は間違いなくその下手人を殺そうとするだろう。 それがJアークの者であるとすれば、おそらく彼は獅子奮迅の働きを見せ難なく復讐を達成するはず。 だが、それではダメだ。その後ではもう、統夜は燃え尽きた灰のような残骸になる。 立ち直らせることもできないではないが、やはりその熱はテニアを失った直後よりは冷めている。何よりガウルンにはそれを待つ時間もなくなった。 己が死んだ後にも祭りが続くのは癪だとガウルンは思う。どうせなら、最後の一花を咲かせるところで全てを決してしまいたい……誰も彼も巻き込んで。 そのためにはユーゼス側によるJアークの一方的な蹂躙というのは面白くない。 適度にJアークを攻撃し、場の趨勢が決しかけたところで――ひっくり返す。 テニアに話した通り、アキトは乗ってくるだろう。奴は完全な優勝狙い。 奴にとって目下のところ最大の障害はJアークではなく、頭一つ二つは飛び抜けた力を有するユーゼスだ。 Jアークをある程度叩き力を奪っておけば、アキトは必ずその狙いをユーゼスに変えるはずだ。 でなければその後必ずユーゼスに喰われる。チャンスはその時しかない。 まずガウルンがユーゼスを撃つ。アキトがそこに乗ってくる。生き残ったJアークの者達も、この時とばかりユーゼスを落とそうとするだろう。 そしてその時こそ、統夜とテニアは完全なフリーになる。 思い出す。カシム――いや、『相良宗介』と千鳥かなめの関係を。 今の統夜とテニアの関係は彼らに酷似している。 これは予行演習なのだ。万が一己が生き残ったとき、もう一度その甘美な果実を味わう。いや、より上手く事を成すための。 竜は古来より生贄を求めるものだ。そして生贄は若い娘と相場が決まっている。 さしずめ統夜は騎士だろうが――残念なことに今の彼は竜を敵とは見ていない。 護る間もなく姫を奪われた騎士に残るのは何だ? 決まっている――竜への復讐だ。 (なあ、統夜。俺の最後のダンスのお相手はお前だ。頼むぜ、俺を失望させないでくれよ……?) 獲物を前に舌舐めずり。 恋焦がれる宿敵に窘められたこれは、永遠に直ることのない癖だなと笑う。 毒に侵された竜は、その背に覇を競うべき騎士を乗せて舞う。 最後の戦場、騎士との決着の場へ向けて。 来たるべき破滅を恐れることなく、心待ちにして――。 【ガウルン 搭乗機体:ダイゼンガー(バンプレストオリジナル) パイロット状況:疲労(小)、全身にフィードバックされた痛み、DG細胞感染 ガンが再発 機体状況:EN100% 現在位置: H-3 第一行動方針:『最高に熟した』統夜と戦う。そのため乱戦に紛れテニアを殺す。 第二行動方針:次の戦いで生き残っている者を全員殺す。 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考1:ガウルンの頭に埋め込まれたチタン板、右足義足はDG細胞に同化されました 備考2:ダイゼンガーは内蔵された装備を全て使用できる状態です】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態:疲労 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN50% ガーディアンソード所持 現在位置: H-3 第一行動方針:Jアークに対処。 第二行動方針:ガウルン、ユーゼスと協力。でも信用はしない 最終行動方針:テニアと生き残る】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:焦り 機体状況:左腕喪失、 EN50%、EN回復中、マニピュレーターに血が微かについている 現在位置:H-3 第一行動方針:Jアークに対処。最中にユーゼスを討つ 第二行動方針:ガウルンと協力。隙があれば潰す。 最終行動方針:統夜と生き残るor統夜か自分どちらかが優勝して片方を生き返らせる。 備考1:首輪を所持しています】 【二日目 20 45】 BACK NEXT Alchimie , The Other Me 投下順 Alter code Fire Alchimie , The Other Me 時系列順 Alter code Fire BACK 登場キャラ NEXT 伏せた切り札 全ては己が目的のために ガウルン Alter code Fire 伏せた切り札 全ては己が目的のために 統夜 Alter code Fire 伏せた切り札 全ては己が目的のために テニア Alter code Fire Alchimie , The Other Me アルフィミィ Alter code Fire
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迷いの行く先 ◆vQm.UvVUE. ニコルのために葬送曲。 (だけど、それがどうしたって言うんだ!) ニコルの死を悼んで、悲しんで、それでニコルが生き返るわけでもない。 だからといってキラを殺す事にも意味はない。 一体なにが悪かったのか。 ニコルを殺したキラが悪かったのか。 キラにやられそうになった自分の弱さが悪かったのか。 自分を助けようとしたニコルの優しさが悪かったのか。 戦争という状況が悪かったのか。 その全てなのだろう。 ニコルは優しかったから死んだ。 戦場でその優しさが正しくないのだったら、ここでも同じ論理が通ずるはずだ。 目の前で馬鹿みたいに歌ってる奴をまず殺せばいい。 簡単な事だ。 「だからって!だからってニコルのために歌ってくれてる奴を殺すなんてできるかよ!」 だからアスランは逃げた。 ラーゼフォンに背を向けて。 追ってくる悼みの歌から逃げだした。 戦場でなら殺す事に躊躇は不要だ。 しかしここは違う。 ここは戦場ではなく誰かが作ったゲーム盤だ。 戦場なら、そこにいるのは戦う意志をもった兵士だけだ。 しかしここには、あんな奴や戦う力のない女子供もいる。 「だったらどうしろっていうんだよ・・・・・・」 分からない、生きて帰りたい、心からそう思う。 だが、殺したくない。 全てを保留してアスランは蒼き鷹を走らせる。 目的も目標もなく、ただ歪に真っ直ぐと。 ヘビーアームズとの戦いを爆風にまぎれて離脱したヒイロは焦っていた。 (うかつだった、俺のミスだ) コンソールを見るとレイダーのエネルギー残量は極小になっていた。 無理もない、開始早々の二連戦、しかも二人目はかなり戦い慣れした相手だった。 ここに来てから自分はどうもおかしい、それはヒイロ自身自覚している事だ。 そもそも、このゲーム、生き残りを目指すなら序盤はステルスに徹するべきだ。 そして残り少ない人数になってから勝負をかける。 これが正しいやり方だ。 序盤からの無差別殺戮など自殺志願者のやる事だ。 (いや、おかしくなったのはここに来る前からか) サンクキングダムの崩壊。 そしてロームフェラの傀儡になったリリーナ。 その二つに失望したのだ。 そして自暴自棄になった、そういうことか。 一人目に殺した女。 以前の自分、ノベンタを殺してしまった後の自分なら殺す事も戦う事もなかっただろう。 「答えろレイダー!どうすればいい!俺は!」 ヒイロの問いかけに、しかしレイダーが答えるわけがない。 エネルギーは刻一刻と減っていく。 TP装甲はすでにカットしてあるがそれもでも何処まで持つか怪しいものだった。 そして蒼い鷹は力なく飛ぶ黒鴉を見つける。 いや、正確には見つけてしまった。 (どうする!相手は気付いてない、攻撃を仕掛けるなら今のうちだ) しかし、行動には移せない。 アスランはここにきて、今だに迷っていた。 (もし戦う意思のない相手だったらどうする、そんな相手を殺して生き残り、それでキラを殺してもニコルは・・・・・・) やがて黒鴉も蒼い鷹に気付く。 (クッ!後ろに付かれたか、今戦うわけにはいかないが) ヒイロは冷静に相手を見てファルゲンに向き合うよう。 だが、攻撃は出来ない。 一撃でしとめなければもはや戦う力はレイダーに残ってはいないだろう。 かといって逃げるだけのエネルギーももはや残ってはいまい。 (相手の出方次第だが・・・・・・) 奇妙な均衡を保ったままお互い動くことなく睨みあい続ける。 動くきっかけも、迷いの答えも見つけられぬまま。 【アスラン・ザラ 搭乗機体:ファルゲンマッフ(装甲騎兵ドラグナー) パイロット状況:動揺 機体状況:良好 現在位置:F-6 第一行動方針:生きて帰る、それ以外は保留 最終行動方針:未決定】 【ヒイロ=ユイ 搭乗機体:レイダーガンダム(機動戦士ガンダムSEED) パイロット状態:疲労、体中に軽い痛み 機体状態:EN残量僅か 現在位置:F-6 第一行動方針:なんとか補給する 第二行動方針:参加者の殺害(多少迷いが出てきた) 最終行動方針:元の世界に戻ってリリーナを殺すため、優勝する(リリーナが参加していることは知らない)】 【時刻:15 50】 BACK NEXT 淡い記憶と、現実 投下順 殺意は昏き火が如く 気になる、あの子 時系列順 一応スゴい人達 BACK 登場キャラ NEXT 始まりの葬送曲 アスラン 薄氷の同盟 閃光 ヒイロ 薄氷の同盟